【目的別比較表付き】オウンドメディアに最適なCMS・プラットフォーム8選と選び方

オウンドメディアの立ち上げを検討する際、多くの担当者が最初に悩むのが「どのCMS(プラットフォーム)を使うべきか?」という問題です。コンテンツの質や量と同じくらい、運用に適したツール選定は成果を左右します。
自由度や機能性、セキュリティ、社内の更新体制との相性──どの観点を優先するかによって最適な選択肢は変わります。特に最近では、WordPress以外にも多様なCMSが登場しており、それぞれに強みと注意点があります。
本記事では、CMSの種類と特徴、選び方のポイント、8つのおすすめツール、よくある失敗とその対策まで、選定に必要な情報を網羅して解説します。読み終えた頃には、自社に合ったCMSを2〜3候補に絞れる状態になれるはずです。
- CMSには汎用型と専用型があり、それぞれにメリット・デメリットがあることがわかる
- 自社の目的や運用体制に合ったCMSを選定することが、成果に直結することがわかる
- CMS選定時によくある失敗とその対策がわかる
- CMS導入の流れと各ステップで必要な準備・確認事項がわかる
- 主要なCMS8種類の特徴と、どのような企業・用途に向いているかがわかる

株式会社X-knockは、渋谷にオフィスを構えるWebマーケティングにおけるドクターです。
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大学卒業後、Webマーケティング会社を設立。金融メディアを運営。その後、SNSマーケティングの会社に参画し、Web・オウンドメディアの立ち上げ、クリエイティブディレクターとして企画戦略、撮影編集の統括。SNSマーケティング会社の取締役を経て、2021年に株式会社X-knockの代表として総合Webマーケティング会社を起業。数多くのクライアントのマーケティング支援を行う。
オウンドメディア構築に必要な基礎知識
オウンドメディアとは、自社が運営するWebサイトやブログなど、広告やSNSに依存せず継続的に情報発信を行う『自社メディア』のことを指します。ブランディング、SEO集客、リード獲得など目的はさまざまですが、成果を出すには“運用し続けられる仕組み”が不可欠です。
その基盤となるのが『CMS(コンテンツ管理システム)』です。CMSを通じて誰でも簡単に記事を投稿・編集できる環境を整えることで、非エンジニアでも運用を担えるようになります。
また、目的によってCMSに求める要素も変わります。SEOで集客したい場合は構造管理やメタ情報の最適化が重要になりますし、ブランディング重視であればデザインの柔軟性も欠かせません。
CMSは単なる“更新ツール”ではなく、メディア戦略の土台となる存在です。
CMS・プラットフォームとは?機能の違いを解説
CMS(Content Management System)は、Webサイト上のコンテンツを効率的に管理・更新するための仕組みです。HTMLやCSSの専門知識がなくても、記事やページを作成・編集できる点が最大の特徴です。
オウンドメディアにおいてCMSは「日々の情報発信を止めないための運用基盤」であり、目的や運用体制に応じて最適な種類を選ぶことが成果に直結します。
以下では代表的なCMSタイプと、それぞれの特徴を比較します。
汎用型CMS(WordPressなど)の特徴と注意点
汎用型CMSの代表格が『WordPress』です。自由度が高く、世界中のユーザーに使われており、テーマやプラグインの豊富さからカスタマイズ性に優れています。
一方で、専門知識がない状態で拡張や運用を行うと、セキュリティリスクや更新トラブルの原因となる場合もあります。特に企業サイトとして運用する場合、定期的なアップデート管理やバックアップ、プラグインの互換性確認などの保守業務が欠かせません。
実際に、WordPress導入後に「想定以上に運用工数がかかってしまった」という事例も少なくありません。自由度と引き換えに、自社内または外注先での技術的フォロー体制が必要です。
そのため、導入前には「誰がどこまで運用するのか?」を明確にし、CMS選定と同時に運用体制をセットで検討する必要があります。
専用型CMS(ferret Oneなど)の特徴と導入企業傾向
専用型CMSとは、特定の用途や目的に特化して設計されたCMSのことです。代表的なツールに「ferret One」『HubSpot CMS』『Clipkit』などがあります。
これらは、非エンジニアでも直感的に操作できるUIや、記事のテンプレート、マーケティング支援機能などを備えており、主に中小企業やマーケティング部署が主導するメディア運営で導入が進んでいます。
また、導入支援やチャットサポートが付属するサービスも多く、初期構築から運用定着までを一気通貫でサポートしてくれるのも特徴です。
自由度は汎用型に劣るものの、「成果を出すまでに必要な機能が揃っている」ことが重視されており、導入ハードルが低い点もメリットといえます。
運用負荷を抑えながらスピーディに立ち上げたい企業にとって、有力な選択肢です。
カスタマイズ性・セキュリティ・サポート体制の違い
CMS選定では「何ができるか」だけでなく、「誰が使うか」「どう保守するか」という観点も重要です。特に、以下の3つは各ツールによって明確に差が出るポイントです。
下記では、CMSのそれぞれの違いについてまとめているのでご確認ください。
項目 | 補足 |
---|---|
カスタマイズ性 | 汎用型CMSはHTML/CSS・JSで柔軟な開発が可能。一方、専用型CMSはレイアウトや機能が制限される反面、ノーコードでの更新がしやすい傾向にあります。 |
セキュリティ | WordPressなどは外部攻撃リスクがあるため対策必須。専用型CMSはサーバー管理がベンダー側にあり、セキュリティパッチも自動対応されやすいです。 |
サポート体制 | 汎用型は自己解決力が求められるのに対し、専用型は導入支援・運用サポートが充実しています。 |
万能なCMSは存在せず、トレードオフを理解したうえで、自社に必要な機能と体制にフィットするツールを選ぶことが求められます。
目的別・企業規模別|おすすめCMS・プラットフォーム8選
CMS名 | タイプ | 向いている企業/用途 | 特徴・補足ポイント |
---|---|---|---|
WordPress | 汎用型 | SEO重視の中小〜大手企業 | 拡張性高いが、保守にリソースが必要 |
ferret One | 専用型 | 非エンジニア運用の中小企業 | サポート・UIが充実。BtoB向けに強みあり |
HubSpot CMS | 専用型 | マーケティング統合を重視する企業 | MA連携が強力。価格は高め |
Movable Type | 汎用型 | セキュリティ重視の大企業 | 有償版あり。歴史ある国産CMS |
STUDIO | 専用型 | デザイン性を重視する中小企業 | ノーコードで高品質なUI設計が可能 |
はてなブログMedia | 専用型 | メディア特化型コンテンツ企業 | 複数メディア運用に最適。編集権限管理が便利 |
CMS Hub | 専用型 | グローバル対応したい中堅企業 | CRM・営業機能と連携。多言語対応あり |
Shopify(+ブログ) | 特化型 | ECサイト+コンテンツ運用 | 商品と記事の融合。EC主軸の企業向け |
CMSは数多く存在しますが、どれも一長一短です。自社にとって最適なツールを選ぶには、企業の規模、運用目的、体制の成熟度などを軸に絞り込む視点が欠かせません。
たとえば、「SEOで集客を伸ばしたい中小企業」と、「社内で簡単に更新できる体制を構築したい広報チーム」では、選ぶべきCMSは大きく異なります。
ここでは、主要なCMSを8つ厳選し、それぞれの特徴と適した企業像を紹介します。比較表とチェックリストも合わせて確認することで、自社に合った2〜3の候補を効率よく絞り込むことが可能です。
CMS選定でよくある失敗と対策
CMSは“導入したら終わり”ではなく、“使い続けて成果を出す”ことが本質です。しかし、選定段階での見落としや過信が、運用フェーズでの失敗につながるケースも少なくありません。
ここでは、企業がよく陥る3つの失敗パターンと、それに対する具体的な対策を紹介します。導入前にありがちな落とし穴を把握することで、後悔のないCMS選定が可能になります。
UIが複雑で現場に浸透しない
見た目や機能で選んだCMSが、実際の現場で「使いにくい」と感じられ、更新が止まってしまうことは珍しくありません。とくにUI(操作画面)が複雑なCMSは、運用担当者が戸惑い、社内に浸透しないままプロジェクトが失速する恐れがあります。
例えば、HTML編集が必要だったり、操作画面のラベル表記が分かりづらい場合、日常業務で使いこなすのが難しくなります。属人化が進み、担当者離脱によってメディア更新が停止するリスクもあります。
そのため、選定時には「実際に使う担当者が操作できるか?」を試用やデモで確認し、操作マニュアルや初期トレーニング支援の有無も要チェックです。
社内の更新体制とマッチしていない
導入時には「週1回更新」など理想的な運用計画を立てたものの、実際には「月1回すら難しい」現実に直面するケースは多くあります。これはCMSの機能ではなく、運用体制とのミスマッチが原因です。
たとえば、更新を担当するのが片手間の業務担当者だった場合、複雑なCMSを使いこなせず、結果的に放置されてしまうリスクがあります。
導入前には、「誰が」「どの頻度で」「どのくらいの作業量で」コンテンツを更新するかを明文化しましょう。そのうえで、運用レベルに見合ったUI設計や更新支援のあるCMSを選ぶことが失敗回避につながります。
費用対効果が合わなかった失敗例
初期費用や月額料金が高額なCMSを導入したにもかかわらず、成果につながらず費用対効果が合わなかったという失敗も見られます。これは、機能が多すぎて使いこなせなかった、アクセスが伸びなかったといった理由によるものです。
例えば、初期費用50万円、月額5万円のCMSを導入した企業が、半年で十分なリードや集客成果を得られず、別のツールに再移行するという事例もあります。
CMSは投資である以上、ROI(費用対効果)を見据えた導入判断が必要です。「高機能だから安心」ではなく、「自社が使い切れるかどうか」「成果が出せる体制かどうか」を重視しましょう。
CMS導入の流れとチェックリスト
CMSの選定が完了したら、次はスムーズな導入と社内定着に向けた準備が必要です。
特にオウンドメディアは「立ち上げたら終わり」ではなく、継続的な更新・改善が求められるため、初期設定や社内体制づくりの段階でつまずかないことが重要です。
この章では、CMS導入時の一般的なステップと、進行時に確認すべきチェックポイントを紹介します。事前に流れを把握しておくことで、IT部門や制作会社との連携もスムーズになり、社内での承認プロセスも通しやすくなります。
CMS導入のステップ例
導入目的と照らし合わせて2〜3候補に絞る
導入目的と照らし合わせて2〜3候補に絞る
投資対効果やメリットを明文化し、決裁プロセスを通す
導入スケジュール・初期設定範囲を明確化
テンプレート作成、カテゴリ設計、SSL設定などを実施
担当者向けに操作説明やマニュアル整備を行う
導入プロセスはCMSの種類によって異なる場合がありますが、上記のようなチェックリスト形式で工程を可視化しておくことで、抜け漏れなく進行できます。
まとめ:最適なCMS選定で成果の出るオウンドメディア運営を
CMS選定は、オウンドメディア運営の「起点」であり、成果を左右する極めて重要な判断です。本記事で紹介した比較視点や導入ステップを踏まえることで、単なる機能比較にとどまらず、戦略的な選定が可能になります。
成果を出すためには、「誰が運用するのか」「どのような目的で使うのか」という視点から、自社に最適なツールを選びましょう。必要であれば、外部のプロに相談しながら進めるのも一つの手段です。