リード獲得単価(CPL)とは?相場・改善策・成功事例まで徹底解説

Web広告で成果を追う上で欠かせない指標、それが「リード獲得単価(CPL)」です。しかし「自社のCPLは高いのか」「改善の余地はあるのか」と判断に迷う担当者も多いのではないでしょうか。特にBtoB領域では、単価だけを見て施策判断するのは危険です。

本記事では、リード獲得単価CPLの定義や計算方法から、業界別・媒体別の相場、改善すべきポイント、実践施策までを体系的に解説します。また「安ければ良いわけではない」という質の視点や、実際にCPA改善に成功した事例も紹介。読後には、自社のCPLが妥当かどうかを判断し、次の一手を自信をもって打てるようになるはずです。

まずは、そもそも「CPLとは何か」から整理していきましょう。

この記事でわかること
  • リード獲得単価(CPL)は広告費÷獲得リード数で計算し業界・媒体別に相場が異なる
  • BtoBは8,000-15,000円、BtoCは2,000-6,000円と事業モデルで単価水準が変わる
  • リード獲得単価(CPL)高騰の原因はターゲティング・訴求軸・LP設計の3つの設計ミスにある
  • リード獲得単価(CPL)改善にはABテスト・LP改修・ターゲティング見直しの5つの施策が即効性高い
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この記事の監修者
X-knock代表取締役 遠藤惇
株式会社X-knock代表 遠藤 惇

大学卒業後、Webマーケティング会社を設立。金融メディアを運営。その後、SNSマーケティングの会社に参画し、Web・オウンドメディアの立ち上げ、クリエイティブディレクターとして企画戦略、撮影編集の統括。SNSマーケティング会社の取締役を経て、2021年に株式会社X-knockの代表として総合Webマーケティング会社を起業。数多くのクライアントのマーケティング支援を行う。

目次

リード獲得単価(CPL)とは?

CPL(Cost Per Lead)とは、1件のリードを獲得するためにかかった広告費を指します。たとえば10万円の広告費で50件のリードを獲得した場合、CPLは2,000円となります。BtoBマーケティングでは、成果指標として広く使われています。

CPLの特徴は「広告効率の可視化ができること」。しかし、獲得数だけに目を奪われると、質の低いリードばかり集まり、最終的な売上に貢献しないことも。本記事では後述するように「質」との掛け合わせも重要です。

リード獲得単価の計算方法

リード獲得単価(CPL:Cost Per Lead)は、広告費をリード数で割って算出される指標です。CPLを正しく理解することで、施策ごとの費用対効果を可視化できます。

計算式は以下の通りです。

CPL = 広告費 ÷ 獲得リード数

たとえば、広告費が100,000円でリードが50件の場合、CPLは2,000円となります。

このとき注意したいのは、「広告費にどこまで含めるか」「何をリードと定義するか」という点です。運用代行費やツール利用料も加えるのか、リードはフォーム送信完了者か、架電対応済みか——この定義次第で数値は大きく変わります。

さらに、1日単位のCPLは日々の変動が大きいため、週単位や月単位での集計が推奨されます。数値が安定することで、改善ポイントの発見にもつながります。

正確なCPLを算出するには、定義の明確化と一定期間での集計が欠かせません。数値のズレを防ぐためにも、自社内でルールを統一しておきましょう。

業界・媒体別のCPL相場一覧

CPL(Cost Per Lead)は、業界や集客手法によって大きく変動します。適正値を把握するには、自社の商材・ターゲット・広告媒体を踏まえて、他社水準と比較する視点が欠かせません。

下記は、代表的な4つの手法におけるCPLの目安です。

手法目安CPL特徴・傾向
Google広告6,000〜12,000円検索意図に基づく即効性がある一方で、競合が多くクリック単価は高くなりがちです。
Facebook広告4,000〜8,000円興味関心ベースで配信可能。BtoCや低単価商材との相性が良く、認知拡大に効果的です。
展示会10,000〜20,000円対面接点により質の高いリードが期待できますが、ブース費や人件費でCPLは高くなります。
SEO(オウンドメディア)2,000〜5,000円初期投資は必要ですが、安定運用により長期的に低CPLを実現できます。

これらの数値はあくまで参考値であり、企業規模や業界によって上下します。次章では、BtoBとBtoCの違いや、SaaS・製造業・教育業界におけるCPLの実例を解説します。

  • BtoB/BtoCでのCPLの違い
  • 業界別CPLの実例(SaaS/製造業/教育系)

BtoB/BtoCでのCPLの違い

CPLは同じ広告媒体であっても、BtoBとBtoCで傾向が大きく異なります。それぞれの特徴を理解することで、自社のCPLが適正かどうかをより正確に判断できます。

区分傾向背景要因
BtoB高くなりやすい(8,000〜15,000円)単価の高い商材が多く、リードの質や商談化率が重視されるため。検討期間も長くなります。
BtoC低くなりやすい(2,000〜6,000円)数を狙う大量獲得型のプロモーションが中心。短期間でCVしやすく、CPLは抑えやすい傾向です。

BtoBでは、単なるリード数よりも「商談に進む可能性があるか」が重視されるため、結果的にCPLが高めに見えることがあります。一方でBtoCは、コンバージョンまでのスピードが早く、量を確保する戦略が取られるため、低CPLを実現しやすくなります。

媒体別の相場だけでなく、自社の事業モデルに合った視点で評価することが重要です。

業界別CPLの実例(SaaS/製造業/教育系)

業界によってもCPLの水準は異なります。商材単価や営業プロセス、リードの質に対する期待値が異なるためです。以下は、代表的な3業界におけるCPLの目安と傾向です。

業界目安CPL特徴・傾向
SaaS8,000〜15,000円高単価商材が多く、商談化や継続契約を重視。質の高いリード獲得にコストをかける傾向があります。
製造業6,000〜12,000円展示会やWeb問合せが主な流入経路。導入までの期間が長く、初期CPLは高くなりやすいです。
教育系3,000〜6,000円BtoC要素が強く、資料請求や体験申し込みなどでCVしやすいため、比較的低CPLでの運用が可能です。

SaaSや製造業では「とりあえず問い合わせ」では成果につながらないため、適切なターゲティングと高品質なLPが欠かせません。教育系は、訴求設計が明確であれば比較的短期間でCVに至るケースも多く、スピード感を活かした施策が有効です。

業界水準と照らし合わせることで、自社のCPLが適正かどうかを判断しやすくなります。

CPLが高騰する3つの原因

リード獲得単価(CPL)が上昇してしまう背景には、いくつかの共通する落とし穴があります。特に広告施策を始めたばかりの段階では、「配信はできているのに成果が出ない」といった悩みを抱えるケースが少なくありません。

CPLが高くなる主な要因として、以下の3つが挙げられます。

いずれも「設定や準備の段階」で見落としがちなポイントです。しかし、それぞれに適切な見直しを行えば、CPLは確実に改善できます。

ターゲティングの失敗例と改善法

CPLが高騰する原因としてまず挙げられるのが、配信ターゲットの設計ミスです。届けたいユーザー像が曖昧なまま広告配信を行うと、関心の薄い層にまでリーチしてしまい、成果につながらないクリックが増加します。

たとえば、条件を広く設定しすぎた場合、興味関心が希薄なユーザーにも広告が届き、クリック単価は下がってもCV率が低くなります。その結果、1件あたりのリード獲得コストが上がります。一方で、条件を狭めすぎると配信ボリュームが確保できず、そもそもCV数が伸びません。

改善の第一歩は、ターゲット像の再定義です。年齢や業種、役職といった属性情報だけでなく、「どの課題を持っているか」「どのタイミングで比較検討するか」といった行動視点まで具体化することが重要です。

さらに、配信セグメントごとの成果を定期的に確認し、CVRやCPLをもとに調整を加える運用が求められます。初期設定に頼り切らず、検証と見直しを繰り返すことで、精度の高いターゲティングが実現できます。

訴求軸のズレがもたらす影響

ターゲット設計が適切でも、訴求内容がずれているとCPLの悪化を招きます。具体的には、「ユーザーの関心テーマ」と「広告が打ち出す価値提案」にズレがある状態です。

たとえば、経営者向けに「業務効率化」を訴求しても、実際の課題が「採用強化」であれば響きません。関心はあるものの、自分ごと化できずに離脱されてしまいます。これは、ユーザーのニーズを仮説だけで設計し、検証を行わないケースに多く見られます。

訴求軸の見直しには、現場の営業やカスタマーサポートの声を活用するのが有効です。「商談で刺さるフレーズ」「よくある質問」「断られる理由」などを素材にすれば、精度の高いメッセージが生まれます。

また、広告のABテストを通じて、複数の訴求パターンを比較検証することも重要です。どの切り口が最もCVにつながっているかを数値で把握することで、感覚に頼らない改善が可能になります。

訴求軸の微調整は、少ないコストで成果に直結しやすい改善ポイントの一つです。

LPの設計不備とCVロス

広告の配信や訴求内容に問題がなくても、LP(ランディングページ)の設計が適切でなければ、リードの獲得にはつながりません。LPはユーザーの最終判断を左右する重要な接点であり、CVロスの多くがこの段階で発生しています。

よくある失敗例としては、ファーストビューでの訴求がぼやけている、情報が詰め込まれすぎていて読みにくい、CTAボタンが目立たずどこをクリックすればよいか分からない、といったケースがあります。これらはすべて、コンバージョンの妨げになります。

改善の基本は、視認性と導線設計の見直しです。ファーストビューでは、「誰に・何を提供するのか」を一目で伝える構成が求められます。加えて、CTAボタンは色や位置を工夫し、ユーザーの視線の流れに自然に沿わせることが重要です。

また、1カラム構成の導入や、情報の優先順位づけも有効です。不要な装飾や余計な要素を省くことで、離脱を防ぎ、CVR向上につながります。

LPは広告と同様に“設計と検証”が必要です。定期的なABテストやヒートマップ分析を通じて、ボトルネックを可視化し、改善サイクルを回すことがCPLの抑制に直結します。

リード獲得単価が安くても「無意味」なケースとは?

CPLは低ければ低いほど良い——そのように考えてしまいがちですが、必ずしもそうとは限りません。リードの質が伴っていない場合、いくら単価が安くても最終的な成果には結びつかず、むしろ非効率になることがあります。

たとえば、以下のような2つのケースを比較してみましょう。

  • 広告A:CPL 2,000円 / 商談化率 10% → 商談1件あたり 20,000円
  • 広告B:CPL 6,000円 / 商談化率 50% → 商談1件あたり 12,000円

一見すると広告Aの方がコストを抑えられているように見えますが、実際に商談へつながるコストを比較すると、広告Bの方が効率的です。このように、「安いリード」ではなく「成果につながるリード」を重視する視点が欠かせません。

特にBtoB領域では、営業との連携やナーチャリング設計が不可欠です。資料請求や問い合わせだけで満足せず、「その後の行動」に注目することで、CPLという指標の意味を正しく捉えることができます。

次章では、CPLを抑えつつ、かつ質の高いリードを獲得するための具体施策をご紹介します。

CPLを下げるために即実践すべき5つの施策

CPL(リード獲得単価)を改善するには、戦略的な見直しだけでなく、日々の運用レベルでの施策が欠かせません。特に以下の5つは、即効性と再現性が高く、限られた予算でも実行しやすい取り組みです。

ABテストによる訴求精度の向上

広告の成果は、コピーや画像のわずかな違いで大きく変わります。複数パターンを同時に配信し、CTRやCVRを比較することで、最も反応が良い訴求軸を見つけ出せます。感覚に頼らず数値で判断し、効果の高いクリエイティブを選定しましょう。

LPの改修でCVR向上

ユーザーの離脱を防ぐには、LPの構成や導線を見直すことが重要です。ファーストビューで要点を伝え、CTAボタンを目立たせることで、CVRの向上が期待できます。1カラム構成やスマホ最適化も、成果につながる基本施策です。

ターゲティング設定の見直し

配信対象が広すぎると無駄なクリックが増え、CPLが悪化します。成果の出やすい属性や行動傾向をもとに、セグメントを再設計しましょう。ターゲティング精度の向上は、少ない予算でも効率的なリード獲得に直結します。

自動入札設定の最適化

広告媒体の自動入札に任せきりでは、意図しないユーザーに配信される可能性があります。コンバージョン地点の設定や目標単価の見直しにより、費用の無駄を抑えられます。媒体ごとのアルゴリズム特性も踏まえた調整が重要です。

訴求軸の定期的な再設計

一度成果が出た訴求でも、ユーザーの反応は時間とともに変化します。商談時の顧客の声や、競合の変化を踏まえ、訴求メッセージを見直しましょう。検証→改善のサイクルを回すことが、CPL改善の鍵となります。

成果事例|CPA改善に成功した企業の工夫

CPL(CPA)を改善するには、具体的にどのような取り組みをすればよいのか。ここでは、実際に施策を講じて成果を上げた企業の事例を2つご紹介します。改善のヒントは、どちらも広告運用やLP改善といった基本施策にあります。

成果を出している企業ほど、小さなPDCAを高速で回し続けています。成功の裏側にある工夫や変更点を知ることで、自社施策の見直しにつながるはずです。

次の章では、Google広告の訴求改善でCPAを40%削減したケースと、LP改修によってCVRを2倍にした事例を解説します。

事例1:広告改善でCPA40%減

あるBtoB企業では、Google広告を活用したリード獲得施策においてCPAが高止まりしていました。改善に向けて行ったのは、「訴求内容の見直し」と「オーディエンス設定の再構築」です。

従来は製品機能を前面に押し出した訴求でしたが、ターゲットの課題に寄せたコピーに変更したことでクリック率が向上。さらに、過去CVユーザーの属性を分析し、配信セグメントを精査した結果、CPLが約18,000円から10,800円まで低下しました。

配信内容を顧客視点に切り替えたことが、大幅なコスト改善につながった好例です。

事例2:LP改修でCVR2倍

BtoB向けの無形商材を扱う企業では、広告流入はあるもののCVにつながらないという課題を抱えていました。改善施策として実施したのが、LP(ランディングページ)の構成見直しです。

主な改修点は、フォーム項目の削減と導線設計の再構築でした。従来の7項目から3項目に絞り、入力ハードルを下げたことで離脱率が大幅に改善。また、ファーストビューに導入メリットを明示し、CTAボタンを目立つ位置に配置したことで、CVRが1.8%から3.6%に倍増しました。

結果としてCPLも5,000円から2,700円まで低下し、費用対効果の高いリード獲得が実現しました。

よくある質問(FAQ)

自社のCPLが高いかどうか、どう判断すればよいですか?

業界平均や媒体別の相場と比較し、商談化率やLTVも含めて総合的に評価しましょう。

CPLの改善にはどのくらいの期間がかかりますか?

ABテストやLP改善なら2〜4週間程度で効果が出るケースが多いです。

最も効率的にCPLを下げる方法は何ですか?

LP改善とターゲティングの見直しは、比較的短期間で成果に直結しやすい施策です。

媒体はどれを選ぶのが正解ですか?

即効性重視ならGoogle広告、費用対効果重視ならSEO、認知拡大にはFacebook広告が適しています。

商談に結びつかないリードが多くて困っています。対策はありますか?

「質×コスト」で評価する視点を持ち、訴求軸やリード定義を見直す必要があります。

【まとめ】CPL改善のために今日できること

リード獲得単価(CPL)は、広告施策の費用対効果を測るうえで重要な指標です。ただし、単価の低さだけで評価するのではなく、商談化率やリードの質を含めて判断することが不可欠です。

この記事で紹介した内容を踏まえ、まず取り組むべきアクションは次の3つです。

  • 自社のCPLを明確な定義で算出する
  • 商談率やCVRも含めた評価軸を設定する
  • 媒体別CPL比較表や無料診断ツールを活用する

成果を出している企業は、常に「見直し」と「改善」を繰り返しています。まずは現状のCPLを把握し、できるところから改善に着手することで、確実に成果につなげることが可能です。

X-knockメディア編集部
株式会社X-knockはWeb制作・SEO対策・広告運用を中心としたWebマーケティング会社になります。「成長のキッカケを創る」をミッションとして、事業の成長・個人の成長をマーケティングの力で支援する企業です。
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