リード獲得KPIの設定方法と数値目安|テンプレ・事例付きで解説

「リードは獲れているのに、なぜか成果が見えない」
「施策ごとの数値がバラバラで、報告がしづらい」

そんな課題を抱えているマーケティング担当者や営業企画の方は多いのではないでしょうか。実はその背景には、“KPIの不在”または“曖昧な指標設定”があります。

リード獲得数だけでなく、どの地点をKPIに置くか、どの指標を改善すべきかを可視化することが、施策の成功確率を大きく左右します。

本記事では、BtoBマーケティングにおける代表的なKPIの一覧から、目的別・施策別の設計例、数値目安、テンプレートの使い方、改善フローまでを網羅的に解説します。すぐに使えるExcel設計表やダッシュボード事例もあわせて紹介しています。

まずは、なぜ今「リード獲得KPIの見直し」が必要なのかを整理していきましょう。

この記事でわかること
  • リード獲得KPIはMQL・SQL・CPLの3つの全体指標と施策別指標を組み合わせて設計する
  • SEO・広告・SNS・ウェビナー施策それぞれに適した評価指標があり目的に応じて選定する
  • KPI設計は目的に応じた指標選定→数値目標設定→PDCA運用の3ステップで進める
  • 売上から逆算するテンプレートとダッシュボードで継続的な改善運用体制を構築する
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この記事の監修者
X-knock代表取締役 遠藤惇
株式会社X-knock代表 遠藤 惇

大学卒業後、Webマーケティング会社を設立。金融メディアを運営。その後、SNSマーケティングの会社に参画し、Web・オウンドメディアの立ち上げ、クリエイティブディレクターとして企画戦略、撮影編集の統括。SNSマーケティング会社の取締役を経て、2021年に株式会社X-knockの代表として総合Webマーケティング会社を起業。数多くのクライアントのマーケティング支援を行う。

目次

なぜ今“リード獲得KPIの見直し”が重要なのか

リード獲得のために広告・コンテンツ・セミナーなどさまざまな施策を打っていても、KPIが明確でない状態では改善の判断も投資の評価も曖昧になります。成果につながるKPI設計には、「全体の目的」と「施策ごとの役割」を整理した上で、指標を設計・管理・改善する体制が不可欠です。

次は、KPIが曖昧なままだと実際にどのような課題が起きるのかを解説します。

「KPIが不明瞭」なことで起きる問題

リード獲得施策を行っているにもかかわらず、「成果がよくわからない」「予算の妥当性が説明できない」と感じる原因の多くは、KPIが設定されていない、または設定が曖昧なことにあります。

たとえば、「リード数が増えた」と言っても、質の低いリードばかりでは営業につながらず、成果とは言い難い状態です。また、「広告費がかかっている割に見合った成果が出ていない」と感じても、CPLやCVRなどの指標がなければ改善のしようがありません。

さらに、KPIが明確でなければ、施策ごとの比較・優先順位付けもできず、報告資料や上層部への説明も説得力に欠けてしまいます。

マーケティング活動を「戦略」ではなく「作業」にしてしまわないためには、まず指標を持つこと、そしてそれを使いこなすことが欠かせません。

上流KPIから逆算する設計の重要性

KPIは「施策の直後だけを評価する指標」ではなく、最終成果(売上やLTV)までの連動を意識して設計することが重要です。CV数だけに目を向けていても、その先の商談率や受注率が低ければ、本質的な改善にはつながりません。

たとえば、月間100件のリードを獲得していても、そのうち商談に進むのが5件、受注が1件であれば、本当に改善すべきはCV数ではなく、MQL→SQLの転換率や営業連携かもしれません。

このように、KPIは「CVしたかどうか」だけではなく、「どの地点でボトルネックが生じているか」を可視化し、改善につなげるための設計図として機能させるべきです。

売上や目標受注額といった上流のビジネス指標から逆算することで、マーケ施策が成果にどう貢献すべきかが明確になり、判断の軸もブレません。

次のセクションでは、実際に施策ごとに使われているKPI項目の一覧を整理していきます。

リード獲得における代表的なKPI項目一覧

リード獲得の評価指標は「CV数」だけではありません。施策のタイプや目的に応じて、見るべきKPIは大きく異なります。ここでは、全体指標から施策別、中間指標までを整理し、設計に役立つ分類ツリーとともにご紹介します。

施策の“目的”に合った指標を選ぶことが、KPI設計の第一歩です。

全体指標:MQL数/SQL数/CPL

リード獲得の全体像を評価するために必要な代表指標は、以下の3つに集約されます。これらは「量・質・コスト」を横断的に可視化できる基本指標です。

指標名概要活用シーン
MQL(Marketing Qualified Lead)マーケティング観点で“育成すべき”と判断された見込み客。スコアや行動履歴で選別される。コンテンツDL、メルマガ登録、資料請求などの質評価
SQL(Sales Qualified Lead)営業部門が「商談対象」と判断したリード。MQLよりも厳選されている。商談数/受注率の改善KPIとして活用
CPL(Cost Per Lead)1件のリード獲得にかかった費用(広告費÷CV数などで算出)施策別の費用対効果比較に活用される定番指標

MQL/SQL/CPLはそれぞれ独立した指標ですが、連動して活用することで「施策のボトルネック」が見える化されます。

たとえばCPLが低くてもSQLが少なければ、リードの質に課題がある可能性があります。

SEO施策のKPI例

オウンドメディアや記事コンテンツを通じたSEO施策では、「検索流入→ページ接触→CVまでの導線」を可視化する指標設計が必要です。代表的なKPIは以下のとおりです。

KPI項目説明
検索順位(平均掲載順位)指定KWでGoogle検索結果に何位で表示されているか。10位以内が目標基準。
セッション数(自然検索)SEO経由での流入ユーザー数。キーワード単位や記事単位で把握する。
CVR(コンバージョン率)ページ訪問者のうち、資料請求や問合せなどに至った割合。
CPL(SEO経由)オウンドメディア経由での1件あたりの獲得単価。

SEOは「リードの質」が高くなりやすいため、単なるアクセス数ではなく**“問い合わせにつながるか”を評価できる設計**がポイントです。特にBtoB領域では、CVポイントの設計やCTA配置の検証とKPIの連動が成果に直結します。

広告施策のKPI例

広告施策では、配信チャネル(リスティング・SNS・動画など)に関わらず、「表示 → クリック → CV」までのファネル全体を分解して評価することが基本です。代表的なKPIは以下のとおりです。

KPI項目説明
インプレッション数(Imp)広告が表示された回数。媒体・配信設定で大きく変動する。
CTR(クリック率)表示回数に対して何%がクリックされたか。広告訴求の強さを示す指標。
CPC(クリック単価)1クリックあたりにかかった広告費。予算設計に直結する。
CV数(コンバージョン数)広告経由での資料請求、申込みなどの成果件数。
CPL(広告経由)広告費÷CV数。1件あたりの獲得コスト。

これらの指標は、単体よりも「組み合わせ」で意味を持ちます。

たとえばCTRが高くてもCPLが高い場合、LPやフォームの最適化が必要かもしれません。KPIを定点で確認することで、改善点が明確になります。

SNS施策のKPI例

SNS(X、Instagram、TikTokなど)の施策では、「エンゲージメントからプロフィール遷移、CVへの接続」までを意識した指標設計が求められます。主なKPIは以下のとおりです。

KPI項目説明
リーチ数投稿が届いたユニークユーザー数。広告・オーガニック問わず有効。
エンゲージメント率いいね・コメント・シェアなど反応の合計 ÷ リーチ数。関心度の指標。
プロフィールアクセス数投稿を見た人がプロフィールに遷移した数。CVにつながる初動指標。
プロフィールCV率プロフィール訪問者のうち、リンクタップやフォーム到達した割合。
投稿保存・シェア数再閲覧・共有される投稿は、潜在CVの可能性が高い。

SNS施策では、「投稿単位の効果」だけでなく、「投稿→プロフィール→CV」という“導線”全体を評価する必要があります。

特にtoC商材では、エンゲージメント重視だけでなく、“次の行動”を生む仕掛けの設計とそのKPI化が成果に直結します。

ウェビナー施策のKPI例

ウェビナーはBtoBのリード獲得施策として広く活用されていますが、“開催して終わり”ではなく、集客から商談化までの各段階でKPIを設計することが成果の鍵になります。代表的な指標は以下のとおりです。

KPI項目説明
登録率LPやSNS経由での訪問数に対し、申込が完了した割合。
参加率登録者のうち、実際に当日参加した割合。50〜70%が目安。
滞在率ウェビナー中の平均視聴時間または視聴完了率。
アンケート回収率終了後アンケートの回答率。ニーズ把握やスコアリングに活用。
商談化率参加者のうち、営業が商談化に至った割合。10〜30%が目安。

ウェビナーはCVポイントが複数存在するため、どの段階がボトルネックなのかをKPIで可視化し、改善につなげる設計が不可欠です。特にBtoBでは、アンケート・スコアリングと営業連携の連動が成果に直結します。

中間指標:CVR/滞在時間/DL率

リード獲得施策では、「成果=CV数」だけを追うのではなく、その一歩手前での“接触〜行動”の質を測る中間KPIも重要です。代表的な中間指標は以下のとおりです。

指標説明
CVR(コンバージョン率)LPや記事に訪れたユーザーのうち、どれだけがCVに至ったか(CV数÷訪問数)。
滞在時間ページや動画などコンテンツに滞在した平均時間。関心度や理解度の指標。
DL率ホワイトペーパーなどの資料DL数÷該当ページ訪問数。関心の深さを示す。

これらは「リードの質」「態度変容の進み具合」を示す指標として活用され、CVに至らなかったユーザーに対するリマーケやナーチャリング設計にも役立ちます。

数値として小さな動きに見えても、改善の打ち手を探るうえでは極めて有効です。施策ごとの接触フェーズに中間指標を設けることで、“見逃していた改善余地”を発見しやすくなります。

KPI設計の3ステップ:選定→数値目標→改善運用

KPIは「とりあえず設定する」ものではなく、目的に応じた設計→目標値の設定→継続的な改善運用まで一連のプロセスとして設計することが重要です。ここでは、KPI設計を成功させるための基本3ステップを解説します。

施策の成果を最大化するために、実務レベルで再現可能な設計方法を整理していきます。

Step1:目的に応じた指標を選ぶ

KPI設計の第一歩は、「何を達成したいのか」という目的に応じて、指標を適切に選定することです。目的が曖昧なまま指標だけを設定しても、分析や改善にはつながりません。

たとえば、ブランドの認知拡大が目的であれば、リーチ数やインプレッション数、CTRなどの指標が有効です。一方、比較検討フェーズにいる見込み客を動かしたい場合は、LP滞在時間やホワイトペーパーDL率、CVRなどの中間指標を重視すべきです。

そして、資料請求や問い合わせといったリード獲得が主目的であれば、CV数やCPL、商談化率など、成果に直結する指標を追うことになります。

このように、施策が狙うフェーズごとに“見るべきKPI”は異なります。目的と指標が一致していないと、成果を正しく判断できず、誤った施策を継続してしまうリスクもあります。

まずは、自社施策のフェーズを見極め、そこに最適なKPIを選ぶことが、成功の出発点です。

Step2:数値目標を設定する

KPIは「設定するだけ」では意味がなく、現実的でありながら成果につながる“目標値”の設計が不可欠です。ここでは、業種や施策別に見られる代表的な目安をもとに、目標設計の考え方を解説します。

たとえばBtoBのホワイトペーパーDL施策では、CVRが1〜3%、CPLは5,000〜15,000円程度が一般的です。ウェビナー施策であれば、登録→参加率は50〜70%、商談化率は10〜20%を目安に設計されることが多くあります。

目標値を決める際は、過去の実績データや他社事例を参考にしながら、「達成可能かつ改善余地のある水準」に設定することが重要です。

また、数値は**“単体”ではなく“組み合わせ”で見ること**がポイントです。CVRだけが良くてもCPLが高すぎれば、効率的とは言えません。

現実に合った目標を持つことで、KPIが「指標」ではなく「アクションの起点」になります。

Step3:PDCAで運用・改善する

KPIは設定して終わりではなく、運用・分析・改善までを繰り返す“運用体制”が整って初めて機能します。現場でありがちなのは、KPIを報告用に形だけ設定し、振り返りや改善に活かせていないケースです。

まず大切なのは、定期的に数値を見直す「KPI確認のルーティン化」です。週次・月次でKPIを振り返り、目標とのギャップや原因を可視化する場をチーム内に設けましょう。

次に、数値をただ見るだけでなく、「何が原因だったのか」「どこにボトルネックがあったのか」を明確にする分析フローが重要です。KPIごとに改善仮説を立て、それを反映した施策にすばやく着手することで、PDCAのスピードと精度が上がります。

改善の積み重ねにより、KPIは「報告のための数字」から、「行動の軸」として機能するようになります。

KPI設計テンプレート&ダッシュボード事例

KPI設計を実務で活用するには、「構造化されたテンプレート」と「見える化されたダッシュボード」が欠かせません。ここでは、逆算思考で設計できるフォーマットと、上司やチームへの報告に使える管理画面の例を紹介します。

どちらも無料DL可能な形式で提供していますので、すぐに実務に活かせます。

KPI設計テンプレ(逆算型)

「リードは集まっているのに、売上が伸びない」

そんな悩みを解決するために有効なのが、“売上から逆算する”KPI設計テンプレートです。目標受注額を起点に、必要な商談数・リード数・コンバージョン数を段階的に割り戻す設計です。

たとえば、「月間500万円の受注目標」がある場合、平均単価が50万円なら必要な受注数は10件。営業の受注率が20%であれば、必要な商談は50件。さらに商談化率が10%なら、必要なMQLは500件──といった形で目標が“計算式”として明確になります。

このテンプレートでは、売上→受注→商談→CV→流入といった階層構造をもとに、自社の数値を当てはめるだけで設計できます。

感覚ではなく、**データとロジックに基づいた“説得力のあるKPI”**を設計したい方は、ぜひ無料DLフォームからExcelテンプレートをご活用ください。

KPI管理ダッシュボード(週次報告用)

KPIをチーム内で活用するには、「見える化された状態で共有されているか」が重要です。そのために有効なのが、週次で更新・報告可能なKPI管理ダッシュボードの運用です。

このダッシュボードでは、MQL数・SQL数・CVR・CPLなどの主要指標を、施策別・週別・担当別に整理して表示します。さらに、過去との比較や目標とのギャップも一目で把握できるため、数値の“変化と理由”に早く気づける仕組みが整います。

例えば、あるBtoB企業では、ダッシュボードを社内共有フォルダで毎週更新し、営業・マーケ合同会議で確認。「どの施策が今週のMQL増加に貢献したか」などをチームで即座に分析できるようになりました。

テンプレートはExcel形式でDL可能です。報告書づくりにかかる時間を削減し、会議を“意思決定の場”に変える運用体制づくりにご活用ください。

まとめ

リード獲得KPIは、単なる数値ではなく「戦略と改善のための設計図」です。施策ごとに目的を明確にし、KPIを正しく設計・運用・改善することで、マーケティングは成果につながります。

明日からの実務にそのまま使える素材をぜひご活用ください。ご不明点やご相談は、KPI設計サポートフォームからお気軽にどうぞ。

X-knockメディア編集部
株式会社X-knockはWeb制作・SEO対策・広告運用を中心としたWebマーケティング会社になります。「成長のキッカケを創る」をミッションとして、事業の成長・個人の成長をマーケティングの力で支援する企業です。
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