【成功事例付き】リードが取れるフォームの作り方|CV率を2倍にする最適化ポイントとは?

「フォームはあるのに、CV率が0.3%しかない……」
「どこを改善すれば成果が出るのか分からない」
こうした悩みを抱えているWeb担当者やマーケティング実務者は多く見られます。
リード獲得フォームは、サイト訪問からCVまでの“最後の壁”です。にもかかわらず、多くの企業が「項目を減らす」「UIを変える」以上の改善策を設計できていません。CV率を2倍にするには、フォーム構成・UX・EFO(入力フォーム最適化)をセットで見直す視点が不可欠です。
本記事では、BtoBのCV改善に成功した2つの事例を軸に、成果につながるフォーム構成のベストプラクティス、EFO施策10選、改善ツール比較、優先順位の考え方までを網羅的に解説します。
まずは「リードが取れるフォーム」とはどのような構成なのか、基本設計から見ていきましょう。
- リード獲得フォームのCV率向上には項目数削減・スマホ最適化・UX設計の3要素が重要
- 成功事例では項目数半減でCV率2.2倍、スマホ最適化でCV率30%改善を実現
- EFO施策は入力補助・ステップフォーム・エラー表示など10の改善手法がある
- EFOツールとABテストを活用してデータに基づいた継続的改善が成果の鍵

株式会社X-knockは、渋谷にオフィスを構えるWebマーケティングにおけるドクターです。
住宅業界や人材業界、飲食業界様々な業種業界にて、Webマーケティングをサポート。
サイトリニューアル後、問い合わせ件数が1件から10件に増加した事例もあります。
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大学卒業後、Webマーケティング会社を設立。金融メディアを運営。その後、SNSマーケティングの会社に参画し、Web・オウンドメディアの立ち上げ、クリエイティブディレクターとして企画戦略、撮影編集の統括。SNSマーケティング会社の取締役を経て、2021年に株式会社X-knockの代表として総合Webマーケティング会社を起業。数多くのクライアントのマーケティング支援を行う。
リード獲得フォームの基本構成とベストプラクティス
リード獲得フォームで成果を出すためには、ただ項目を並べるだけでは不十分です。ユーザー心理に寄り添った“構造設計”が、CV率を大きく左右します。
以下は、成果を出しているフォームに共通する基本構成の3要素です。
改善ポイント | 内容 | 効果 |
---|---|---|
最小限の入力項目 | 目的に応じて項目数を絞り、必須項目のみ設置 | 入力の手間を削減し、完了率が向上 |
補助情報の明示 | 「例:○○株式会社」や「1週間以内にご連絡」などを記載 | 書き方の迷いや心理的ハードルを軽減 |
導線の最適化 | CTAボタンの配置・色・文言を最適化し、スマホ対応も考慮 | ユーザーが迷わず行動でき、CV機会を逃さない |
この3点を押さえることで、フォームが“離脱ポイント”から“獲得ポイント”へと変わります。
成功事例① 項目数を半減してCV率2.2倍に(BtoB IT企業)
BtoB向けSaaSを提供するあるIT企業では、「リード数はあるのに商談につながらない」「フォームでの離脱が多い」という課題を抱えていました。そこで実施したのが、入力項目の削減とステップ形式の導入です。
改善前と後のフォーム構成を比較した「before/after図」では、CV率が2.2倍に改善された具体的変更内容もあわせてご確認いただけます。
この施策が向いている企業
このフォーム改善施策は、特にBtoB企業・高単価商材を扱う業種・検討期間が長い業界に向いています。こうした商材では、問い合わせ時点での情報入力項目が多くなりがちですが、それがユーザーの離脱要因になっているケースが多く見られます。
たとえば、SaaS・コンサルティング・業務支援ツールなどのサイトでは、「業種」「従業員数」「導入時期」などを初回から求めるフォームが一般的です。しかし、まだ比較検討段階にいるユーザーにとっては、“情報を与えすぎない”“質問を減らす”ことでCVハードルを下げることが重要になります。
また、「営業部門から“質の高いリードが欲しい”と求められているが、CV自体が少ない」という企業にも、この施策は有効です。まず“数”を確保し、その後のスコアリングやMAで絞り込むという考え方が前提になります。
成功の要因
このBtoB IT企業の事例では、「項目の削減」+「分岐による整理」+「UX設計」の3つを同時に改善したことで、CV率が2.2倍に向上しました。
改善ポイント | 実施内容 | 効果 |
---|---|---|
質問のスリム化 | 10項目→5項目に削減。初回接点で不要な情報を除外 | 入力負担が減り、完了率が上昇 |
項目の分岐化 | ユーザーの選択内容によって後続項目を変更 | 必要な人にだけ必要な質問を表示し、離脱率を低減 |
UXの最適化 | ステップ形式を採用し、画面遷移を分かりやすく | 全体が短く見え、心理的負担を軽減 |
とくに分岐型フォームの導入は、「必要最低限の設問で済むユーザー」と「詳細が必要なユーザー」を分けて対応できるため、一律で質問をぶつける構成よりも、CV率が高まりやすい傾向があります。
成功事例② スマホ最適化でCV率30%改善(教育系)
教育サービスを展開するある企業では、Web経由のCVが伸び悩んでいました。アクセスの7割以上がスマートフォンからにもかかわらず、PC前提のフォーム設計になっていたことが原因でした。
改善にあたって行ったのは、スマホ視認性と操作性の強化です。具体的には、以下のような最適化を行いました。
- フォーム幅を画面に合わせて自動調整
- 入力項目間に十分な余白を設け、タップしやすく
- エラー表示を入力欄の直下に表示してストレス軽減
- フリックやスワイプで項目を移動できるUI設計
これにより、フォーム完了までの操作時間が短縮され、途中離脱率が約40%→25%に改善、CV率は30%向上しました。
リード獲得に効果的なフォーム改善施策10選
フォームのCV率を高めるには、「何を改善すべきか」を明確にすることが第一歩です。ここでは、EFO(入力フォーム最適化)の観点から、効果が高く実装しやすい改善施策を10個に整理して紹介します。
- 入力項目数を絞る
- スマホ最適化を行う
- 入力補助機能を設ける
- ステップフォームを導入する
- 補助文・例文をつける
- エラー表示を明確にする
- CTAボタンの最適化
- サンクスページを改善する
- EFOツールで可視化する
- ABテストで構成を検証する
まずは、フォーム設計の基本ともいえる「項目数の最適化」から見ていきましょう。
入力項目数を絞る
フォームの離脱原因で最も多いのが、「入力項目が多すぎて面倒くさい」というユーザー心理です。特にBtoB企業では、「役職」「部署」「電話番号」などの情報を初回接点で求めがちですが、目的に応じて最低限の項目に絞ることで完了率は大きく改善します。
例えば、資料請求が目的のフォームであれば、「会社名・氏名・メールアドレス・問い合わせ内容」の4項目程度に留め、営業段階で必要な情報は後追いで取得する設計にします。
また、不要な「任意項目」が多い場合も、ユーザーにとっては“必須に見える”ことが多いため、思い切って削除するか、表示のON/OFFを明確にすることが重要です。
入力項目を減らすことで質が落ちるのではないか?という懸念もありますが、まず“数”を取り、その後のナーチャリングで育てるという発想が、特にリード獲得フェーズでは効果的です。
スマホ最適化を行う
現在のWebアクセスの大半はスマートフォン経由です。にもかかわらず、PCベースの設計をそのままスマホに流用しているフォームは少なくありません。スマホUIに最適化されたフォームは、CV率に直結します。
改善のポイントは以下のとおりです。
- フォーム幅の最適化:画面サイズに応じて横幅を調整
- タップしやすい配置:入力欄やボタン間に十分な余白を確保
- 入力中のストレス軽減:自動スクロールや画面遷移を最小限に
- エラー表示の即時性:どの項目に誤りがあるかを直下に表示
また、スマホ用キーボードの切り替えも重要です。メールアドレス欄では「@」が打ちやすい配列、電話番号欄では数字入力専用にするなど、UIの“細部”が完了率を大きく左右します。
「スマホからのCVが少ない」と感じたら、まずはフォームの操作性から見直すべきです。
入力補助機能を設ける
フォーム入力を途中で諦めてしまう理由の一つに、「手間がかかる」「どう入力すればよいか分からない」というユーザーのストレスがあります。これを解消するために有効なのが、入力補助機能の実装です。
代表的な例としては以下のようなものがあります。
- カレンダー入力:日付を手入力ではなく、タップで選択できるUI
- 郵便番号→住所の自動入力:住所欄に手打ちせずに済むため、精度も向上
- プルダウンメニューや選択肢の用意:自由入力を減らし、入力ミスも予防
- リアルタイム入力チェック:未入力・不正入力を即時でフィードバック
これらの機能は、“使いやすいフォーム”ではなく、“間違えにくいフォーム”を設計するための要素です。
補助機能の実装には一定の開発リソースが必要ですが、CV率改善効果は高く、特にBtoBや長尺フォームでは優先的に導入すべき施策です。
ステップフォームを導入する
「一画面に多くの入力項目が並んでいる」と、ユーザーは圧迫感を覚え、途中離脱しやすくなります。これを防ぐ方法として効果的なのが、ステップ(分割)フォームの導入です。
ステップフォームとは、入力項目を複数画面に分けて、“一問一答”形式または段階的に入力を進める形式を指します。たとえば、最初は「会社名・氏名」のみを入力し、「次へ」を押すと次の項目に進む構成です。
この設計により、ユーザーは「思ったより簡単に入力できそう」と感じやすくなり、心理的ハードルが低下します。また、最初の1〜2項目を入力した段階で離脱しても、Cookieやセッションを活用すれば情報を保存しておける仕組みも構築可能です。
注意点としては、各ステップに「何項目中の何番目か」を示すインジケーターを設置することで、完了までの距離感を可視化し、途中離脱をさらに防止できます。
補助文・例文をつける
「何をどう書けばよいのか分からない」
この不安が、フォーム離脱の大きな要因になります。特にBtoBフォームでは、入力内容に正解がない項目(例:問い合わせ内容、導入予定時期など)でユーザーが手を止めてしまうケースが多発します。
これを防ぐには、補助文(ガイドテキスト)や入力例を設けることが効果的です。
例)
「例:○○株式会社」
「1〜2週間以内にご連絡いたします」
「ご相談内容を具体的にご記入ください(例:製品Aの価格について)」
補助文があることで、ユーザーは安心して入力に進めるようになり、フォーム完了までのストレスが軽減されます。また、入力例があることで、営業やサポート側も後続対応がしやすくなるという副次的効果もあります。
すべての項目に付ける必要はありませんが、「迷いやすい項目」から優先的に導入しましょう。
エラー表示を明確にする
入力フォームで離脱を招く典型的な要因の一つが、「なぜエラーになっているのかが分からない」状態です。ユーザーが入力を完了できないと判断した瞬間、離脱率は大きく跳ね上がります。
この課題を解決するには、リアルタイムかつ明確なエラー表示の実装が不可欠です。
改善ポイントは以下の通りです。
- 入力直下でのエラーメッセージ表示(例:「メールアドレスの形式が正しくありません」)
- 色・アイコンによる視覚的な注意喚起(赤枠やエラーアイコンなど)
- ページ下部ではなく入力欄ごとに分かりやすく表示
特にスマホユーザーの場合、画面下部にエラー表示が出ても気づかないことが多いため、項目ごとに即時でフィードバックされる仕組みが重要です。
誤入力を責めるのではなく、「こう直せばよい」と案内するスタンスの設計が、完了率を高める鍵になります。
CTAボタンの最適化
CTA(Call To Action)ボタンは、フォーム内で最も“クリックされるべき”重要パーツです。ボタンの色や文言、配置の違いだけでCV率が10〜30%変わるケースも珍しくありません。
改善ポイントは以下の通りです。
- 色:背景とのコントラストが強く、視認性の高いカラーを採用(例:青背景ならオレンジや赤)
- 文言:「送信」ではなく、「無料で資料をもらう」「今すぐ相談する」など、行動とメリットが伝わる表現に
- サイズ・余白:タップしやすい大きさと、周囲に十分なスペースを確保
- 配置:フォーム完了欄の下だけでなく、スクロール中にも“固定ボタン”として設置するのも効果的
「最後に押されるボタン」だからこそ、クリックされる必然性をつくる設計が求められます。少しのデザイン変更でも数値に反映されやすいため、優先度の高い改善対象といえます。
サンクスページを改善する
「フォームを送信して終わり」になっていませんか?
リード獲得の“次の一手”として見落とされがちなのが、サンクスページの設計です。実はこのページこそ、CV直後のユーザーに対してLTVを最大化するチャンスを秘めています。
改善のポイントは以下の通りです。
- 資料DL/動画視聴の導線を設置し、理解を深めるコンテンツに誘導
- セミナー/個別相談の予約リンクで、次のアクションへスムーズに接続
- 関連ブログや導入事例の紹介で、ナーチャリングにつながる情報を提供
- SNSフォローやメルマガ登録で、継続接点を構築
サンクスページは「CV済ユーザー=関心度が高い層」にだけ表示される特別な場です。だからこそ、“静的なお礼”ではなく“動的な導線設計”に変えるだけで、追加CVや商談化率が大きく変わります。
EFOツールで可視化する
「どこで離脱しているのか分からない」
フォーム改善に取り組む上で、この“見えない課題”を解消するには、EFO(Entry Form Optimization)専用ツールの導入が有効です。EFOツールを使うと、以下のようなデータが取得できます。
- 入力完了率(項目ごと):どの項目で入力が止まっているかを数値で把握
- 離脱率・未入力率:項目別の離脱傾向が可視化され、改善ポイントが明確に
- エラー頻出項目の特定:ユーザーがつまずきやすい箇所を可視化
また、ツールによってはA/Bテスト機能やヒートマップ分析がセットになっているものもあり、UI改善とデータ分析を一元管理できる環境が整います。感覚的な「ここが悪そう」ではなく、定量的なデータに基づいた改善判断が可能になることで、社内提案やレポート作成にも説得力が増します。
ABテストで構成を検証する
フォーム改善施策は、「これで正解だろう」という思いつきではなく、実際のユーザー反応に基づく検証プロセスを経ることで、再現性ある成果につながります。そのために欠かせないのがABテストの活用です。
ABテストとは、2パターンのフォームを同時に配信し、どちらがより高いCV率を記録するかを比較する方法です。特に効果が出やすい改善箇所は以下の通りです。
- 入力項目の数や順序(例:部署→役職→名前 vs 名前→会社名→部署)
- CTAボタンの文言や色(例:「送信」vs「無料で相談する」)
- エラーメッセージの表示位置や内容
テストの際は、「1回の変更=1要素」に絞るのが鉄則です。複数要素を同時に変えると、何が成果に影響したのかが不明確になります。
ABテストは“数字で語れる改善”の最短ルートです。結果をレポート化すれば、上司・チームへの提案材料にもなります。
フォーム作成・改善に使えるおすすめツール7選
「自社で一からフォームを設計・改善するのは大変」
そんな企業に向けて、実務での導入実績があり、使いやすさ・機能性・コストのバランスが取れたフォーム関連ツールを7つ紹介します。
ツール名 | 特徴 | 向いている用途 |
---|---|---|
formrun | ノーコード対応、EFO機能付き | 中小企業の問い合わせフォーム設計に |
Tayori | チャット型フォームやFAQ連携 | サポート業務と連動したCV導線に |
Googleフォーム | 無料・手軽に導入可能 | シンプルな一次取得に最適 |
HubSpotフォーム | CRM連携・スコアリングが可能 | MA活用前提のBtoB企業に |
Zendesk | チケット管理と一体化可能 | 問い合わせ管理を強化したい企業向け |
KARTE Form | UX設計重視・細かな出し分け可 | フロント改善にこだわるtoC向け |
Ptengine | ヒートマップ×EFO分析対応 | データに基づいた改善PDCAを回したい企業に |
まとめ|成果を出すフォームの判断基準と改善フロー
リード獲得フォームで成果を出すには、「入力項目数を減らす」「UIを整える」といった単発対応ではなく、構成・導線・改善サイクルをセットで設計することが重要です。
本記事では、成功事例やEFO施策、ツール比較をもとに“成果が出るフォーム”の条件を整理しました。
まずは自社フォームの現状課題を見える化し、改善の優先順位を明確にしましょう。