オウンドメディアを運営していて、こんな悩みに直面していませんか?
「記事数は増えているのに、検索流入が伸びない」
「どんなテーマで書けば成果が出るのか分からない」
「この内容で本当に合っているのか?」
という社内からの不安の声や明確なKPIがないことで、上司に成果説明できずに困っている方も少なくありません。
本記事では、そうした課題を根本から解消するためのヒントをお届けします。SEO対策とリード獲得を両立するコンテンツ戦略の立て方、テーマ設計の思考法、フェーズ別の最適な記事構成までを網羅的に解説。
再現性のある手法を知ることで、「何を書くべきか」に明確な答えが見えるようになります。
- 5つのコンテンツタイプの使い分け(How to記事・事例紹介・比較/ランキング・導入インタビュー・Q&A/ナレッジ型)とそれぞれの効果的な活用法
- 成果が出るテーマ選定の5ステップフロー(キーワードリサーチ→競合調査→KPI逆算→ジャーニー別配置→フォーマット化)
- フェーズ別コンテンツ戦略(立ち上げ期:認知獲得、成長期:リード獲得強化、拡大期:回遊性・差別化)の設計指針
- 「何を書けばいいのか」問題の根本解決法(ターゲットの検索意図とカスタマージャーニーを結びつけた体系的テーマ設計)

オウンドメディアにおける「コンテンツ」の定義と役割とは?
オウンドメディアにおける「コンテンツ」とは、単に情報を掲載するものではありません。ユーザーにとって有益で、検索エンジンからの流入を獲得し、信頼を構築しながら最終的に成果(CV)へとつなげる“資産”です。
一過性の広告やSNS投稿と異なり、コンテンツは時間とともに評価が蓄積され、継続的に集客・認知・育成に貢献します。
中でも検索経由の流入は、ユーザーの課題意識が顕在化している状態のため、企業として届ける情報が的確であれば、強い共感と行動を引き出せます。つまり、コンテンツとは「売り込まずに、信頼を得て、成果につなげる」ための仕組みであり、オウンドメディア運用の中心的な存在です。
オウンドメディアで作成できるコンテンツの種類とは?
オウンドメディアで成果を出すには、目的やターゲットのフェーズに応じたコンテンツタイプを使い分けることが不可欠です。検索流入を狙うコンテンツ、CVを促すコンテンツ、専門性を高めるコンテンツなど、それぞれ役割が異なります。
ここでは、特に成果につながりやすい代表的な5つのコンテンツ形式とその特徴を紹介します。
How to記事(課題解決型)
『○○の方法』『○○の始め方』など、検索ユーザーの悩みに直接応える形式です。SEOとの親和性が高く、メディア立ち上げ初期の流入獲得に向いています。
ユーザーは「知りたい」という目的意識を持って検索しているため、的確な情報を提示すれば高い満足度を得られます。特に初期段階では、知識レベルの低い読者層に向けて、基礎から丁寧に解説することで広く流入を集めやすくなります。
事例紹介コンテンツ
実際の導入実績やインタビューを通じて、サービスや商品がどのように役立ったかを伝える形式です。読者は他社の取り組みや成果に関心を持ちやすいため、信頼構築とCV促進の両面で効果を発揮します。
導入前の不安を払拭し、「自社にも活用できそう」と具体的にイメージしてもらうことが、次のアクションへの後押しになります。
比較・ランキング・チェックリスト系
「どれを選べばいいか迷っている」読者に向けた形式です。複数の選択肢を比較したり、選定基準を提示したりすることで、意思決定をサポートします。
また、回遊性・滞在時間の向上にもつながり、SEOの観点でも有利に働きます。『あなたに向いているのはこのタイプ』と診断的に誘導する構成を取り入れると、CV率も高まりやすくなります。
導入インタビュー/ユーザーの声系
ユーザーのリアルな体験談や導入の背景を紹介する形式です。検討中の読者にとっては、自分と同じ課題を持つ“他者の声”が説得材料になります。
また、実際の運用や課題解決の過程を共有することで、サービスへの信頼感が高まります。テキスト中心でも、ビフォーアフターや導入効果などを可視化する図解を交えると、より説得力が増します。
Q&A・ナレッジ・辞書型コンテンツ
業界用語の解説や基礎知識の整理など、辞書のように網羅的に情報を提供する形式です。検索性が高く、長期間にわたり流入を獲得できるだけでなく、内部リンクのハブとしても機能します。
SEO観点では「情報のまとまり」として評価されやすく、サイト全体のドメインパワー強化にも貢献する重要なタイプです。
成果が出るコンテンツテーマの選定フロー
成果に直結する記事を作るには、『何を書くか』を戦略的に決めることが最も重要です。思いつきや流行任せではなく、SEOや検索意図、KPI設計などの要素を組み合わせたテーマ設計によって、狙った流入・CVを獲得する土台が整います。
ここでは、再現性のあるテーマ選定の考え方を、5つのステップで解説します。
- ステップ1:キーワードリサーチと検索意図の深掘り
- ステップ2:競合調査で見えてくる“勝てるテーマ”
- ステップ3:KPIから逆算したテーマ設計
- ステップ4:ジャーニー別に分けた記事配置戦略
- ステップ5:編集会議・企画書フォーマット化
ステップ1:キーワードリサーチと検索意図の深掘り
まずは、ユーザーがどんなキーワードで検索しているのかを洗い出し、それぞれに潜む「知りたい理由」や「背景の課題」を読み解きます。検索ボリュームだけに頼らず、「このキーワードを打つ人は、なぜこの情報を求めているのか?」という本質的な意図に注目することが肝心です。
たとえば『オウンドメディア コンテンツ 作り方』と検索する人は、記事ネタに悩んでいるだけでなく、成果が出ない現状に焦りを感じている可能性があります。
ステップ2:競合調査で見えてくる“勝てるテーマ”
次に、検索上位にある競合記事の構成や見出し、内容の傾向を把握します。その中で、共通点と抜け漏れを分析し、自社が訴求できる切り口を探ります。
たとえば、上位記事が事例を掲載していないなら、『実践例のあるコンテンツ』で差別化する余地があります。競合が手を出していない角度を狙うことで、テーマの独自性と優位性が高まります。
ステップ3:KPIから逆算したテーマ設計
記事ごとの目標(PV、CTR、CVRなど)をあらかじめ設定し、そのゴールから逆算してテーマを設計します。たとえば「月間100件の資料DL」を目標とするなら、検討フェーズ向けの比較記事や導入事例が必要です。
このように数値をもとに必要なコンテンツタイプ・本数を見積もることで、無駄のない施策計画が立てられます。
ステップ4:ジャーニー別に分けた記事配置戦略
読者の購買プロセス(認知 → 比較 → 検討)に応じて、各フェーズに必要な記事テーマを分類します。たとえば、認知層にはHow to記事、比較層にはチェックリスト、検討層には導入事例が有効です。
このように『誰が、どのタイミングで、何を知りたいのか』に基づいて設計すれば、回遊とCVにつながる流れを自然に構築できます。
ステップ5:編集会議・企画書フォーマット化
設計したテーマは編集会議で共有・承認を行い、テンプレートとしてフォーマット化します。これにより属人性をなくし、チーム全体での再現性と運用効率が向上します。
たとえば、企画書テンプレートに『狙うKW/検索意図/ターゲット/想定KPI』を明記することで、執筆担当者が迷うことなく記事制作に取り組める体制が整います。
フェーズ別で作るべきコンテンツ一覧(立ち上げ期〜成長期)
オウンドメディアは、フェーズによって抱える課題も施策の優先順位も変化します。そのため、各段階に応じて作成すべきコンテンツのタイプを整理し、適切なテーマ設計を行うことが重要です。
ここでは、メディア運用を大きく3つのフェーズに分け、それぞれの目的に合った記事構成と狙うべきキーワードの方向性を紹介します。
立ち上げ期:認知を取るための記事設計
ブランドやサービスの認知度がまだ低い立ち上げ期には、『まず知ってもらうこと』が最大の目的になります。このフェーズでは、How to記事やナレッジ型コンテンツなど、検索されやすく読者の疑問に答える内容を中心に設計します。
キーワードは『○○とは』『○○の使い方』など、初心者向けで検索意図が明確なものを優先しましょう。記事のボリュームよりも、質と検索意図の的確さを重視して制作を進めることが重要です。
成長期:リード獲得を強化するコンテンツ構成
検索からの流入がある程度安定してきた成長フェーズでは、CVにつながるコンテンツ設計が主軸になります。事例紹介、比較記事、チェックリスト型の構成など、読者の意思決定を後押しする形式を導入しましょう。
この段階では、『無料相談』や『資料ダウンロード』といったCTAを記事内に設置し、明確な導線を設けることでCV率を高めることが可能です。SEOとCVの両面から設計する視点が、戦略的な成果を生むカギとなります。
拡大型:回遊性と差別化を意識した企画型記事
認知とCVの両立が進んできた拡大型フェーズでは、メディア全体のブランド価値を高める施策が求められます。ここでは、ランキング記事・まとめ記事・トレンドコラムなど、企画性の高いコンテンツが有効です。
SNSでの拡散やシェアも見込めるテーマを選ぶことで、新たな流入経路の開拓にもつながります。あわせて、過去記事への内部リンクや関連導線を強化することで、回遊率・滞在時間を底上げできます。
そもそも「何を書けばいいのか」問題をどう解決するか?
多くのオウンドメディア担当者がつまずくのが、「次に書くべきテーマがわからない」という問題です。コンテンツの量は増えてきたものの、手応えがなく、記事の方向性に迷いが生じている段階では、戦略的な視点からの再設計が必要です。
この問題の本質は、“ターゲットの検索意図”と“カスタマージャーニー”を結びつけて考えていないことにあります。『この読者はどんな課題を抱え、どのフェーズにいるのか?』を明確にしたうえで、『どんな情報が必要とされているのか』を逆算すれば、書くべきテーマは自然と導き出されます。
さらに、ユーザーの悩み構造をマップ化し、フェーズごとに分解することで、テーマ出しの再現性も高まります。属人的な思いつきではなく、体系立てたテーマ設計を通じて、『書くべきこと』が見える状態をつくることが、成果につながる記事制作の第一歩です。
【自社事例紹介】成果を出したオウンドメディアコンテンツ戦略
ここでは、実際にPVとCVを両立させたオウンドメディア運用の事例を紹介します。課題の発見から、テーマ選定・記事構成・CTA設計に至るまで、成果に直結した取り組みを分解して解説します。
あるBtoBサービスを提供する企業では、オウンドメディアを立ち上げたものの、半年間でCVが1件のみという課題を抱えていました。当初は『オウンドメディア とは』といった認知目的のテーマに集中していたため、読者がサービス検討層に到達せず、CVにつながる構成になっていなかったのです。
そこで、以下の3点を軸にコンテンツ戦略を再構築しました。
戦略 | 詳細 |
---|---|
テーマ再設計 | 『サービス名 比較』『業界 導入事例』など、検討フェーズの検索意図に応えるキーワードを軸に設定 |
記事構成見直し | 導入事例を活用し、読者が自社課題と重ね合わせやすい構成に変更 |
CTAの強化 | 記事末尾と途中に『無料診断』や『資料DL』のCTAを設置し、明確な行動導線を設計 |
上記戦略を行い、月間PVは1.8倍、CVは4倍に増加。導入記事からのCV率も0.3%→1.2%に改善しました。このように、フェーズに合ったテーマと構成、そして読者視点の導線設計によって、コンテンツは“成果を生む資産”へと進化します。
オウンドメディアのKPI設計と効果測定の考え方
オウンドメディア施策の成果を正しく評価するには、PVだけでなく、多角的なKPIを設計・運用する必要があります。『記事を何本書いたか』ではなく、『読者がどれだけ動いたか』を指標として捉えることで、改善につなげる具体的なPDCAが回せるようになります。
代表的なKPI指標は下記の通りです。
- PV(ページビュー):流入数の規模を把握
- UU(ユニークユーザー):新規・再訪問ユーザー数を確認
- 滞在時間・直帰率:記事の内容理解・満足度を測る
- CV数・CVR(コンバージョン率):問い合わせやDLなど、行動転換の度合いを評価
- CTAクリック率:誘導ポイントの有効性を測定
目的に応じてKPIは変わります。たとえば、認知フェーズならPVやUUが主指標になり、検討・比較フェーズではCV数やCVRが重視されます。また、記事単位でKPIを設計することで、何が成果につながっているかを可視化でき、不要な記事を増やすリスクも回避できます。
さらに、KPIと成果の関係性を定期的に振り返るための効果測定スケジュール(例:月次レビュー)を設定し、改善施策を記録する運用体制を整えておくことも重要です。『戦略的に書き、数字で評価し、構成に反映する』この循環が、成果を持続させるオウンドメディアの基本です。
まとめ|“記事を書く”から“戦略を描く”へ
オウンドメディアの成果は、闇雲に記事を増やすだけでは生まれません。重要なのは、『誰に、何を、なぜ届けるのか』という視点からコンテンツを設計し、目的に応じたKPIで成果を測定することです。
“なんとなく”の更新から脱却し、再現性ある戦略を描くことで、コンテンツは事業成長に貢献する資産となります。今こそ、“記事を書く”だけでなく、“戦略として設計する”メディア運営へと一歩踏み出しましょう。