初心者でも失敗しない!オウンドメディア用アイコンの選び方・使い方・事例まとめ

オウンドメディアの印象やUXに大きな影響を与えるのが「アイコン設計」です。

「伝わりやすさ」や「ブランディング強化」を実現するためには、適切なアイコンの選定と使い方が欠かせません。

本記事では、デザイン初心者のWeb担当者でも迷わず選べるように、選び方の3軸、商用利用可能なおすすめアイコンサイト12選、配置のコツ、実例、注意点までを網羅

“見た目”だけに頼らず、伝わるビジュアル設計の第一歩を一緒に踏み出しましょう。

この記事でわかること
  • アイコン選定の3つの軸(ブランディング・ユーザビリティ・実用性)
  • 商用利用可能なおすすめフリーサイト12選
  • 効果的な配置と使い方のポイント
  • よくある失敗パターンと回避策
目次

なぜオウンドメディアにアイコンが必要なのか?

アイコンは、ユーザーに情報を直感的に伝える「視覚の言語」です。文字情報だけでは伝わりにくい内容も、アイコンを使えば一瞬で理解してもらえる可能性があります。

実際、カテゴリごとに異なるアイコンを使うだけで、ユーザーはページ構造を瞬時に把握でき、目的の情報にたどり着きやすくなります。また、アイコンはユーザビリティ向上だけでなく、ブランドイメージの統一にも役立ちます。

たとえば、ナビゲーションやCTAに共通のアイコンを用いることで「サイトの世界観」が整い、視覚的な信頼感が高まります。このように、アイコンは「装飾」ではなく「設計」の一部。UX改善とブランディング両方に貢献する“戦略的パーツ”として捉える必要があります。

アイコンの選び方:デザイン初心者が押さえるべき3つの軸

オウンドメディアで使用するアイコンは、単に「見た目が良いもの」では不十分です。

重要なのは、誰にでも直感的に伝わり、サイト全体との一貫性が保たれ、実装面でも使いやすいかという3つの視点です。具体的には、以下の3軸で考えると失敗がありません。

この3点を押さえることで、視覚的にも機能的にも“伝わる”デザインを実現できます。以下では、それぞれの選定軸について詳しく解説します。

1. ブランディング軸:トンマナとの整合性を保つ

アイコンは、ブランドの世界観を視覚的に伝える要素のひとつです。サイトのフォントや配色、ロゴのテイストと合っていないと、ユーザーは違和感を覚えてしまいます。

たとえば、落ち着いた士業系メディアにポップなイラスト系アイコンを使用すると、世界観がチグハグになります。一方、モノトーンでシンプルな線画アイコンなら、フォーマルな印象を損なわず馴染みます。

「自社らしさ」を視覚で伝えるために、既存デザインとの一体感を意識した選定が求められます。

2. ユーザビリティ軸:視認性と直感性を重視する

どれほどデザイン性が高くても、意味が分かりにくいアイコンでは本末転倒です。重要なのは、ユーザーが迷わず内容を理解できるかという視点です。

線の太さやサイズに一貫性があり、誰が見ても同じ意味に取れるシンプルな形状がベストです。また、スマートフォンなど小さな画面でも視認しやすいかどうかも重要なポイントです。

情報が“伝わるかどうか”を基準に、装飾性よりも機能性を優先しましょう。

3. 実用性軸:使用環境と形式を考慮する

デザインが良くても、実装しづらければ現場では使われません。アイコンのファイル形式(SVG、PNGなど)や、色変更・サイズ調整の可否も選定時の判断基準にすべきです。

特にSVG形式であれば、拡大・縮小に強く、カラー変更も容易なため、CMSでも扱いやすくなります。また、背景透過が必要な場合やレスポンシブ対応を見据えた設計も重要です。

デザインと実装の両立が、実務での使いやすさを左右します。

アイコン素材を探す:商用利用可・おすすめフリーサイト8選

オウンドメディアで使用するアイコンを探す際には、商用利用が可能でクレジット表記が不要なサイトを選ぶことが基本です。

さらに、SVG形式に対応しているか、トーンが統一されているか、カテゴリ検索がしやすいかなども重要な比較ポイントとなります。

ここでは、実務で使いやすいフリー素材サイトを「用途別」「デザイン別」「機能性重視」の3軸で分類し、目的に応じた選定ができるように解説します。

1. 用途別おすすめ:汎用性・業種特化で選ぶ

アイコン素材を探す際、まず意識すべきは「自社でどのような場面で使うか」です。

汎用的なビジネス説明、生活に身近なテーマ、人の動作・感情を伝えたい用途など、使用目的によって適切な素材は異なります。

たとえば、業務用の資料や企業紹介ページであれば、線の太さや色使いが控えめで、どんなコンテンツにも合いやすいモノトーンの汎用系が適しています。

一方、ユーザーの注意を引きたい場合や、親しみやすさを演出したいときは、色彩豊かでテーマ性のあるアイコンが効果的です。

以下では、使用シーンに応じて選べる代表的な4サイトを紹介します。

ICOOON MONO|白黒ビジネス汎用アイコンの定番

「ICOOON MONO」は、シンプルな白黒のモノトーンアイコンを豊富に揃えた、日本語対応の素材サイトです。ビジネス用途に強く、報告書、社内資料、機能説明ページなどにも馴染みやすいデザインが中心です。

SVG・PNGの両形式に対応しており、サイズ変更や加工の自由度も高く、非デザイナーでも安心して利用できます。

FLAT ICON DESIGN|カラフルで親しみやすいUI向け

「FLAT ICON DESIGN」は、やわらかくカラフルなトーンが魅力の素材サイトです。とくに生活情報、子育て、美容、ライフスタイル系など、親しみやすさが求められるメディアと相性が良く、ポップで見やすいUIづくりに適しています。

手書き風や温かみのある配色は、堅苦しさを感じさせず、感情に寄り添うブランド演出に有効です。

human pictogram 2.0|人型・説明系の定番セット

「human pictogram 2.0」は、人の動作・表情・感情を視覚で伝えるピクトグラムに特化した専門サイトです。製造現場の安全表示、教育現場の行動誘導、医療・福祉の注意喚起など、「伝えるべきことを即時に理解させたい」シーンで重宝されます。統一されたテイストと視認性の高い構成で、他の要素と組み合わせても浮かない設計が特長です。

Icon-rainbow|業種別カテゴリ豊富な検索特化型

「Icon-rainbow」は、業種別・シチュエーション別にカテゴライズされた検索導線が秀逸なアイコンサイトです。たとえば、「教育」「医療」「食品」といったジャンルで直感的に絞り込むことができ、業種横断的なメディアでも必要な素材を短時間で探し出せます。SVG/PNG形式に対応し、商用利用・クレジット不要で安心して導入できます。

2. デザイン別おすすめ:トンマナとUIに合うサイト

アイコンのデザインテイストは、オウンドメディア全体の印象に直結します。

ブランドの世界観に合わないテイストを使用すると、ページ全体の統一感が崩れ、UXを損なうリスクもあります。

たとえば、BtoB向けサイトでカラフルなポップ調のアイコンを使うと、信頼感に欠ける印象を与える可能性があります。

逆に、ライフスタイル系やファミリー向けのメディアでモノトーンのアイコンばかりを使うと、温度感のない冷たいUIになってしまうことも。

このように、テイストの選定は“誰にどのような印象を与えたいか”というブランディング設計の一部です。

以下では、目的に合わせたビジュアル表現ができる4サイトを紹介します。

FLAT ICON DESIGN|カラフル&ポップなトーンで親しみやすく

「FLAT ICON DESIGN」は、先述のとおりカラー展開が豊富で、トンマナに温かみや柔らかさを持たせたいときに非常に便利です。明るく自然な配色やグラデーションの使い方が絶妙で、ユーザーに安心感を与えるビジュアル設計を後押ししてくれます。

特にBtoCや女性向けメディアでの採用事例が多く、ブランドに“親しみ”を加えるのに最適です。

iconmonstr|ミニマル&モノトーンで洗練された印象に

「iconmonstr」は、黒一色のモノトーンアイコンを専門に扱う海外サイトです。構成は極めてシンプルで、無駄のない設計が特長です。BtoBサービスや士業系のオウンドメディアなど、過剰な装飾を避けたい分野で高く評価されています。

必要最低限の情報を視覚化することで、情報の整理性とサイト全体の信頼感を同時に高めることが可能です。

unDraw|ブランドカラーに合わせて色変更できるSVG集

「unDraw」は、SVG形式でカラー変更が可能なイラスト風アイコン・構図を多数揃える素材サイトです。抽象的なサービス概念やUX、働き方などを視覚化したい場合に重宝されます。

サイトのブランドカラーに合わせて色調整できるため、デザインの一貫性を保ちつつ、情報をやわらかく伝えることができます。

Iconscout(Free Icons)|一貫したスタイルのテーマ別セット

「Iconscout(Free Icons)」は、スタイルが統一されたアイコンセットを提供している素材サイトです。各セットには同系統のアイコンが含まれており、ページごとに異なるトーンになる心配がありません。

UIの整合性を意識する企業サイトや、複数ページをまたぐ設計において、非常に効率的な素材収集が可能です。

3. 機能性・利便性重視:形式・検索性・商用ライセンス

業務利用や継続運用を前提にアイコンを選定するなら、使い勝手の良さとライセンス面の明瞭さは欠かせません。

とくに、Web実装に強いSVG形式の有無や、サイト内検索の精度、クレジット表記の必要性などは、日常的な作業効率や法的リスク回避に大きく影響します。

検索性が高いサイトであれば、「必要なタイミングで、すぐに最適なアイコンが見つかる」という安心感が生まれます。

また、ライセンスのルールが明快なサイトであれば、社内・外部への展開時にも余計な確認作業を省け、スムーズな運用につながります。

以下では、特に実用性に優れた4サイトを紹介します。

Icon-rainbow|高精度なカテゴリ検索とSVG対応が魅力

「Icon-rainbow」は、再登場となりますが、機能面でも非常に優秀なサイトです。業種・利用目的別の分類が視覚的に整理されており、SVG・PNG両方の形式が用意されています。

検索性が高く、あらゆるユーザーが必要なアイコンにすばやくアクセスできる点で、業務効率を重視する現場からの評価も高いです。

SILHOUETTE DESIGN|検索性・軽さ・わかりやすさが◎

「SILHOUETTE DESIGN」は、日本語で検索できる珍しい素材サイトで、黒ベタのシンプルなシルエットアイコンが中心です。アイコンデータは軽量で、Webサイトの表示速度に配慮した設計がなされています。

誰でも扱いやすく、素材数も豊富で、初心者でも安心して使える実用性重視の構成です。

FLATICON|アイコン数が圧倒的&UIが直感的

「FLATICON」は、世界最大級のアイコン数を誇るプラットフォームで、無料・有料を問わず多彩なスタイルのアイコンが登録されています。SVG/PNG/EPSなど形式選択も自由で、複数プロジェクトを管理するチームや代理店など、業務レベルでの運用にも対応できます。

SVGRepo|完全SVG特化・編集機能付きで即戦力

「SVGRepo」は、SVG特化型の無料ライブラリで、編集機能が充実しているのが特長です。ブラウザ上でサイズ変更やカラー変更ができるため、制作スピードが求められる場面にも柔軟に対応できます。

商用利用OK・クレジット不要で、SVGを主軸にデザイン運用したい企業にとって即戦力となるサイトです。

配置と使い方のポイント:見やすさ・導線・ブランド強化

オウンドメディアでアイコンを効果的に活用するには、どんなデザインを選ぶかだけでなく、「どこに、どう配置するか」も同じくらい重要です。

適切な配置は、ユーザーの視線誘導や行動促進、情報の整理整頓に直結し、UXの質を大きく左右します。

特に、以下の3つの配置ポイントを意識することで、アイコンが「ただの飾り」ではなく、戦略的な機能パーツとして機能します。

1. 情報整理のための配置:カテゴリ・記事一覧に活用

ユーザーが情報を探しやすいUIを構築するには、カテゴリや記事タイトルなどの周辺に適切なアイコンを配置するのが効果的です。たとえば、カテゴリ名の横に「タグのように機能する」シンボルを添えるだけで、内容の傾向や目的が視覚的に伝わり、ページ全体の可読性が向上します。

また、記事一覧ページなどにテーマ性の異なるアイコンを使うことで、複数のコンテンツを一覧で見たときにユーザーが直感的に違いを把握できるようになります。これは滞在時間や回遊率の向上にもつながるため、情報構造を補助する要素としての導入が推奨されます。

2. 行動導線を促す配置:CTA・ボタンに活用

アイコンは、ユーザーの視線を“行動へ導く”トリガーとしても非常に有効です。

たとえば、「資料ダウンロード」「お問い合わせ」「無料相談」といったボタンの左側にアイコンを配置すると、視覚的に目立つ導線が生まれます。

ボタン単体よりも情報の意味が明確になり、ユーザーが迷わずクリックに至る心理的な後押しとなります。

特にCV導線(コンバージョン導線)の強化が求められるLPやサービス紹介ページでは、見落とし防止の視覚要素として積極的に活用したい施策です。

3. ブランド強化に寄与する配置:ヘッダー・フッター・共通パーツ

ブランドイメージをサイト全体に一貫して浸透させるには、ヘッダーやフッターといった“共通エリア”でのアイコン設計が重要です。

たとえば、ナビゲーションの隣に配置するアイコン、SNSリンクに用いるシンボル、FAQやお問い合わせのアイコンなど、細部までトンマナに沿ったアイコンを使用することで「印象に残る」サイトに仕上がります。

また、複数ページにわたる共通部品のアイコンが統一されていると、訪問者にとっても操作の安心感や信頼性が生まれます。

こうした細やかな設計が、ブランディングの質を底上げする視覚戦略となります。

他社はどうしてる?オウンドメディアのアイコン活用事例

アイコン導入を検討するうえで、参考になるのが実際の成功事例です。

他社の取り組みからは、どのようなUX改善がなされたか、どのような視覚設計がブランド訴求につながったかなど、導入時のヒントが数多く得られます。

特に、下記のような代表的オウンドメディアでは、明確な設計意図のもとでアイコンが使われており、成果にもつながっています。

1. SmartHR Mag.|アクセシビリティと親しみやすさを両立したUI設計

SmartHRが運営するオウンドメディア「SmartHR Mag.」では、2023年のサイトリニューアルにおいて、UI全体のアクセシビリティと視認性を意識したデザイン改修が行われました。

その中核として、やわらかい曲線基調のアイコンやアニメーション付きの視覚演出が導入され、ユーザーの視線誘導と行動導線が最適化されています。

特に、CTAやカテゴリ一覧など、行動を促すポイントにアイコンを添えることで、クリック率や回遊率の改善につながりました。

デザイン初心者でも参考にしやすい、直感性と親しみやすさのバランスが取れた好例です。

2. mercan(メルカン)|ブランドカルチャーを伝える視覚設計

メルカリのオウンドメディア「mercan」では、採用ブランディングを目的に、社内カルチャーや社員のストーリーを視覚的に伝える設計が取り入れられています。

ブランドカラーと統一されたアイコンを活用し、カテゴリごとに異なるテーマを明確に分ける構成が印象的です。

この設計により、視覚的に“どのような価値観を持った企業なのか”がユーザーに伝わりやすくなり、UI全体に統一感と信頼性が生まれています。

アイコンを通じてブランドそのものの“らしさ”を表現している事例として、参考にする価値が高い取り組みです。

よくある失敗と注意点:著作権・デザインの統一・形式ミス

アイコン素材の活用はメリットが大きい一方で、正しい知識がないとトラブルやUX低下につながるリスクもあります。特に注意すべきは「著作権・ライセンス」「デザインの整合性」「ファイル形式や実装上の不備」の3点です。

これらの問題は、デザインやWebの専門知識がない担当者がアイコンを導入する際に起きやすく、事前に知っておけば簡単に回避できます。

以下では、具体的にどのようなミスが起こりやすいのかを解説します。

1. 著作権・ライセンス違反:商用利用条件の確認不足

アイコン素材サイトの中には、無料で使える一方で「商用利用不可」や「クレジット表記必須」といった制限が設けられているケースがあります。

この条件を確認せずに使用してしまうと、法的リスクや信頼性の毀損につながりかねません。

また、「再配布禁止」「加工の可否」などもサイトごとにルールが異なり、たとえ無料であっても使い方を誤れば著作権違反となる恐れがあります。

導入前には必ず利用規約を精読し、商用利用・加工・クレジットの3項目を中心にチェックしましょう。

2. デザインの不統一:ライン・カラーのばらつき

複数の素材サイトからアイコンを集めた場合に起きやすいのが、デザインの不統一です。

線の太さ、角の丸み、塗りと線のバランスなどがバラバラになると、UI全体にちぐはぐな印象が残り、ユーザーの視線が分散してしまいます。

特に、ヘッダー・メニュー・CTAといった共通要素で統一感がないと、サイト全体の信頼感が損なわれるリスクもあります。

なるべく同一サイト内、あるいは同一スタイルのアイコンで揃えるよう心がけましょう。

3. ファイル形式・実装ミス:JPGやPNGの扱いに注意

ファイル形式に関する知識不足も、初心者がつまずきやすいポイントです。

たとえばJPG形式は背景透過ができず、レイアウトの邪魔になる場合があります。PNGは透過には対応していますが、拡大に弱く、画質が粗くなることもあります。

基本的にWeb実装では、拡大・縮小に強く、スタイル変更が可能なSVG形式が推奨されます。

CMSやCSSで非対応の形式を使用すると、表示崩れや読み込みエラーを引き起こす可能性もあるため、事前に実装環境との互換性も確認しておくと安心です。

まとめ|アイコンは“デザイン”でなく“戦略”である

オウンドメディアにおけるアイコンの活用は、単なる装飾ではなく、ユーザーの理解と行動を促すための“戦略的パーツ”です。選び方・使い方・配置の工夫によって、情報整理、ブランド訴求、CV導線の改善など、多方面にわたる効果が期待できます。

本記事では、アイコンの選定基準から、実務で使える素材サイト、効果的な配置事例、よくあるミスの回避法までを総合的に解説してきました。ここまでの内容を参考に、自社メディアの目的やターゲットに合ったアイコン設計を行い、UXとブランドの質を底上げしていきましょう。

まずは、社内で共有できる形で「アイコンの活用方針」を整理するところからスタートしてみてください。直感的に“伝わる”メディアづくりは、視覚設計のひと工夫から始まります。

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