【業界別】BtoB企業のオウンドメディア事例25選!成功させる秘訣まで

これからオウンドメディアを始めようとしている方にとって
「他の企業はどうやって運営しているのか」
ということは気になりますよね。なかには、どんな企業がオウンドメディアを運用しているのかによって始めるか決めたいという方もいるでしょう。
『学ぶは真似ろ』という言葉があるように、他の企業の事例を参考にすることは非常に効果的です。しかし、日々の業務に追われ
「BtoBでオウンドメディアを運用している企業を探す時間がない…」
と頭を抱えている方もいますよね。
そこで本記事では、数々のオウンドメディアを運用してきた経験のある弊社が、業界別にBtoBのオウンドメディア事例を紹介します。どんな施策を行なっているのかを紹介していくので、自社で行う際にどんな戦略で挑戦するか考えながらチェックしてみてください。
- 業界別のBtoB企業の事例が見れる
- BtoBにおけるオウンドメディアではリード獲得、認知獲得が期待できる
- オウンドメディアを成功させるには独自性を意識して定期的に改善を行うことが大切
- 状況に合わせて外注することもオウンドメディアを運営するひとつの方法
【IT・SaaS業界】BtoBオウンドメディア事例
まずは、IT・SaaS業界の事例を、5つにまとめて紹介します。
サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社は、グループウェア「サイボウズ Office」や「kintone」などの業務改善ツールを提供する企業です。サイボウズ株式会社では『サイボウズ式』というオウンドメディアを運営しています。
『サイボウズ式』は、働き方や組織論、チームワークに関する多様なテーマを取り上げ、企業文化や価値観を発信しています。単なる製品紹介ではなく、読者との共感を生むコンテンツを通じて、ブランドの信頼性と親近感を高めることを目的としたメディアです。
結果として、企業のファンを増やし、採用活動や製品の認知度向上に寄与していると考えられます。
freee株式会社

freee株式会社は、クラウド会計ソフト『freee会計』などを提供する企業です。中小企業や個人事業主向けの業務効率化を支援しています。
freee株式会社では『経営ハッカー』というオウンドメディアを運営しています。経理や会計、経営に関するノウハウや最新情報を発信し、読者の課題解決をサポートしていることが特徴です。
freeeの製品やサービスへの関心を高めることを目的としており、月間400万PVを超えるなど高い集客力を誇ります。結果として、リード獲得やブランド認知の向上に大きく貢献していると考えられます。
株式会社サイバーセキュリティクラウド

株式会社サイバーセキュリティクラウドは、Webセキュリティサービスを提供する企業です。オウンドメディア『CyberSecurityTIMES』を運営しています。
メディアでは、サイバーセキュリティに関する最新情報や独自の調査レポートを発信し、専門知識の普及とリテラシー向上を図っています。潜在層への注意喚起や顧客層の拡大を目的としていることが特徴です。
過去の高品質なコンテンツが検索エンジンから評価され、オーガニックトラフィックの増加につながっています。
トレンドマイクロ株式会社

トレンドマイクロ株式会社は、サイバーセキュリティ製品やソリューションを提供する企業です。法人組織のサイバーリスクマネジメントを支援するオウンドメディア『トレンドマイクロセキュリティブログ』を展開しています。
セキュリティに関する最新情報や導入事例を紹介し、法人組織のサイバーリスク対応力を高めることを目的としています。また、専門性の高い内容を発信することで、業界内の認知度向上を図っていることも特徴のひとつです。
結果として、ビジネスレジリエンスの向上や製品・サービスへの信頼性向上に寄与していると考えられます。
株式会社ラクス

株式会社ラクスは、クラウド型経費精算システム「楽楽精算」などを提供する企業です。経理担当者向けのオウンドメディア『経理プラス』を運営しています。
メディアでは、経理実務や最新の法律・税制情報、業務効率化のノウハウなどを専門家が解説し、読者のスキルアップを支援しています。イベントや動画・資料の提供を通じて、読者との継続的な接点を維持し、自社サービスへの関心を高めていることも特徴的です。
結果として、リード獲得やブランド認知の向上に貢献していると考えられます。
【製造業界】BtoBオウンドメディア事例
続いて、製造業界の事例を、5つにまとめて紹介します。
東海バネ工業株式会社

東海バネ工業株式会社は、金属ばねの製造を手がける企業です。オウンドメディア『ばね探訪』を運営しています。
メディアでは、東海バネ工業株式会社のばねが活躍するモノづくりの現場をレポートし、さまざまな企業の姿勢を取材・発信しています。 特徴的なのは、自社製品の紹介を控え、顧客企業にフォーカスしたコンテンツが多い点です。
製品が完全オーダーメイドでカタログが存在しないため、顧客の取り組みを通じて自社のビジネスモデルを伝えることを目的としています。 このような取り組みにより、自社のブランディングと、顧客に寄り添う姿勢を伝えることに成功しています。
日機装株式会社

日機装株式会社は、産業用ポンプやシステム、航空機部品、血液透析装置など、様々な分野で専門的な機器を提供する企業です。社会を根底から支える技術や製品、人々に光をあてて紹介するオウンドメディア『Bright』を運営しています。
メディアでは、同社の文化や取り組み、働く人々を紹介し、認知度の向上と採用強化を目的としています。 専門知識がなくても理解しやすいコンテンツ制作に注力し、親しみやすい雰囲気を出すデザインやロゴを採用していることが特徴です。
採用にフォーカスを当てたオウンドメディアの運営により、採用活動にも良い影響を与えていると考えられます。
三菱電機株式会社

三菱電機株式会社は、重電・家電からFA機器、宇宙事業まで幅広い分野で事業を展開する日本を代表する総合電機メーカーです。オウンドメディア『DSPACE(ディースペース)』を運用しています。
『DSPACE』は、主にBtoB領域における製造業・技術者向けの情報発信を目的としたメディアです。製造現場の課題解決や技術革新に役立つコラム、業界トレンドなどを幅広く発信しています。
主な目的は、リード顧客との関係構築および、見込み客の育成です。また、三菱電機の製品やソリューションが、どのように役立つのかを「ストーリー」で伝えることで、企業ブランディング強化にも貢献しています。
貝印株式会社

貝印株式会社は、包丁・カミソリ・化粧道具などの刃物製品を中心に、キッチン用品やビューティーツールを製造・販売する老舗メーカーです。国内外に多くのファンを持ち、高品質な「日本の刃物文化」を支えてきました。
同社が展開するオウンドメディア『KAI HOUSE(カイハウス)』は、料理好きな生活者やプロの料理人を対象としたメディアです。レシピ紹介や道具の使い方、料理人インタビュー、イベント情報などを発信し、製品の魅力を『体験』として伝えています。
メディアの主な目的は、自社製品の理解促進とブランド価値の向上です。単なる製品紹介にとどまらず、料理や道具への『こだわり』を発信することで、感度の高いターゲット層とのエンゲージメント強化を図っています。
結果として、KAI HOUSEは製品購入の後押しだけでなく、貝印の『文化的価値』を訴求する役割を果たしています。
花王プロフェッショナル・サービス株式会社

花王プロフェッショナル・サービス株式会社は、業務用の清掃・衛生・衛生管理ソリューションを提供する花王グループの法人向け専門会社です。飲食・医療・介護・宿泊業界などに向けて、多様なプロ向け製品やノウハウを提供しています。
オウンドメディア『ご贔屓ナビ』は、主に飲食業界の店舗運営者・経営者に向けた実践的な経営支援メディアです。衛生管理、感染症対策、スタッフ教育、清掃マニュアルなど、実務に直結する情報を網羅的に掲載。
とくに「現場ですぐ使える」資料が多く、ユーザーの課題解決に直結する構成となっています。メディアの目的は、自社製品の利用促進だけでなく、コンサルティング的な立ち位置を確立することです。
単なる製品紹介ではない価値提供型のコンテンツ戦略によって、問い合わせ増加や継続的な製品使用にもつながっていると考えられます。
【人材・HRテック業界】BtoBオウンドメディア事例
ここからは、人材・HRテック業界の事例を、5つにまとめて紹介します。
アスノシステム株式会社

アスノシステム株式会社は、貸し会議室の検索・予約ができるポータルサイト『会議室.COM』を運営する企業です。会議室という場の提供にとどまらず、ビジネスシーン全体の効率化や質の向上を目指しています。
オウンドメディア『会議Hack』では、会議の進め方やファシリテーションなど、会議に関する幅広いノウハウを発信しています。メディアの目的は、検索ユーザーに有益な情報を提供しつつ、会議の課題を解決する手段として『会議室.COM』への関心を高めることです。
専門性の高いコンテンツでSEO効果を高め、リード獲得へとつなげています。結果として、検索流入による新規ユーザーの獲得とブランディング強化に寄与していると考えられます。
株式会社カオナビ

株式会社カオナビは、人材管理に特化したクラウド型タレントマネジメントシステムを提供するHRテック企業です。可視化とデータ活用で組織の成長を支援しています。
オウンドメディア『カオナビ人事用語集』では、人事・労務・組織開発に関する用語を解説。人事担当者や経営層が抱える疑問をわかりやすく解消するコンテンツ設計になっています。
メディア運用の目的は、SEOによる検索流入の獲得と、カオナビの専門性・信頼性の訴求です。結果的に、見込み顧客の育成とブランディングの双方を実現しており、CV獲得にもつながる高効率なリードを確立しているといえます。
ウォンテッドリー株式会社

ウォンテッドリー株式会社は「シゴトでココロオドルひとをふやす」をビジョンに掲げ、ビジネスマッチングプラットフォームを運営しています。企業と個人を『共感』でつなぐ採用手法が特徴です。
オウンドメディア『Hiring Geek』は、採用・組織づくりに課題を持つ人事担当者を主なターゲットにしています。採用マーケティングや候補者体験、カルチャー浸透などの情報を発信。
メディアの目的は、採用における課題解決のヒントを届け、採用活動を支援しつつ自社プロダクトの導入動機を高めることです。結果的に、採用に関心の高い層との継続的な接点を作ることで、企業ブランディングにも好影響を与えていると考えられます。
エン・ジャパン株式会社

エン・ジャパン株式会社は、人材紹介・転職支援・求人メディアなどを多角的に展開する大手人材サービス企業です。若年層から中堅層まで幅広い求職者のキャリア支援を行っています。
オウンドメディア『CAREER HACK』は、IT・Web業界で働く20〜30代向けに、キャリアや働き方・学びに関する情報を掲載。著名人や企業の取材記事が中心となっています。
目的は、自社求人サービスへの関心を高めつつ、読者のキャリア意識を育てることです。潜在層を取り込むコンテンツ設計により、媒体利用への心理的ハードルを下げています。
その結果、業界内での認知度向上やユーザーとの関係性構築に成功しています。
株式会社i-plug

株式会社i-plugは、新卒逆求人サービス『OfferBox』を運営する企業で、学生と企業をつなぐプラットフォームを提供しています。AIを活用したマッチング精度の高さが強みです。
オウンドメディア『人事ZINE』は、企業の新卒採用担当者を対象に、採用戦略や学生動向などを深掘りして発信しています。メディアの目的は、採用実務の支援を通じて見込み顧客と関係性を築き、OfferBoxの導入を自然に促すことです。
教育コンテンツと事例記事をバランスよく配置することで、読み応えのあるメディアに仕上げています。人事担当者の課題に寄り添うことで信頼関係を構築し、サービスへの理解促進や導入検討の後押しとなる効果が生まれていると考えられます。
【医療・製薬業界】BtoBオウンドメディア事例
ここからは、医療・製薬業界の事例を、5つにまとめて紹介します。
アステラス製薬株式会社

アステラス製薬株式会社は、グローバルに展開する日本の大手製薬会社です。がんや免疫疾患など、高度な医療ニーズに応える研究開発に注力しています。
オウンドメディア『INNOVATION for NEW HOPE』では、医療の最前線で活躍する研究者・開発者のインタビューを紹介しています。メディアの目的は、アステラスの研究開発力や社会的使命を発信し、医療業界関係者や求職者に対するブランド価値を高めることです。
また、採用広報・研究広報の役割も担っています。社会課題解決に取り組む企業姿勢を示すことで、信頼性の高い企業ブランドの醸成や高度人材の獲得などに貢献しているといえます。
株式会社島津製作所

株式会社島津製作所は、分析機器や医療機器の分野で世界的に活躍する総合精密機器メーカーです。オウンドメディア『Shimadzu Today』を運営しています。
メディアでは、先端研究や製品活用事例、社会貢献活動、社員インタビューなどを掲載し、多角的な企業活動を発信しています。目的は、BtoB顧客に向けたブランディング強化および、事業領域への理解促進、社員エンゲージメント向上です。
結果的に、技術力だけでなく『共感される企業』としてのブランド価値を高めるメディア運営に成功しています。
大塚製薬株式会社

大塚製薬株式会社は、医薬品と機能性食品の両面で事業を展開する企業です。とくに健康科学分野に強みを持っています。
オウンドメディア『健康と病気』では、生活習慣病、睡眠、運動など日常生活に関わる健康情報をわかりやすく解説。医療従事者向けではなく、一般生活者向けに設計されています。
目的は、消費者への健康啓発を通じて、製品やブランドへの信頼と理解を促進することです。SEOに配慮したテーマ選定で、検索流入の最大化を図っています。
結果として、商品理解の促進や購入動機の醸成につながるだけでなく、企業のヘルスケア領域での専門性と信頼性の発信にも寄与しています。
第一三共ヘルスケア株式会社

第一三共ヘルスケア株式会社は、OTC医薬品やセルフメディケーション領域に特化した第一三共グループの中核企業です。オウンドメディア『健康美塾』を運営しています。
メディアでは、健康と美容に関心のある女性をターゲットに、日常に役立つセルフケア情報を発信。症状別のケア方法、生活習慣アドバイス、商品連動コンテンツなどが充実しています。
メディアの目的は、生活者の自己治療・自己判断を支援し、製品理解を深めるとともに、ブランドへのロイヤルティ向上を図ることです。
結果的に、顧客接点の拡大とエンゲージメント向上を同時に実現。売上支援にもつながる仕組みとしてオウンドメディアが機能しています。
佐藤製薬株式会社

佐藤製薬株式会社は、OTC医薬品市場で高い知名度を誇る企業で『ユンケル』などのブランドで広く知られています。オウンドメディア『ヘルスケア情報』では、病気や症状の基礎知識、予防・対処法、季節ごとの健康管理情報を網羅的に紹介しています。
誰でもわかりやすく読める構成がメディアの特徴です。目的は、消費者の健康意識を高め、セルフメディケーションの定着を支援しながら、佐藤製薬の製品を自然に選んでもらう導線を作ることです。
結果として、生活者の信頼獲得やブランド想起の強化に大きく貢献していると考えられます。
【卸売業界(商社)】BtoBオウンドメディア事例
最後に、卸売業界(商社)の事例を、5つにまとめて紹介します。
住友商事株式会社

住友商事株式会社は、グローバルに展開する総合商社であり、多岐にわたる事業を手がけています。2023年10月からオウンドメディア『Enriching+』を運営しています。
社員の想いや事業の裏側にあるストーリーなど、リアルな姿を多様なコンテンツを通じて紹介していることがメディアの特徴です。メディアの目的は、住友商事グループの幅広い事業や取り組み、世界中で活躍する社員など、リアルな姿を紹介することです。
結果として、ステークホルダーとの信頼関係を強化し、企業ブランドの向上に寄与しています。
株式会社レゾナック・ホールディングス

株式会社レゾナック・ホールディングスは、化学の力で社会を変えることを目的に掲げる企業です。オウンドメディア『レゾナック ナウ』は、スピード変革するレゾナックの今を伝えるメディアとして、位置付けられています。
メディアの目的は、レゾナックの企業活動やビジョンをステークホルダーに伝え、ブランド理解を深めることです。とくに、化学業界における革新的な取り組みや社会貢献活動を紹介し、企業の信頼性と透明性を高めています。
結果として、企業のブランド価値向上や、ステークホルダーとの関係強化に貢献しています。
三井物産株式会社

三井物産株式会社は、エネルギー・金属・機械・化学品など多様な分野でグローバルに事業を展開する総合商社です。脱炭素に関連する情報を専門的に発信するオウンドメディア『Green&Circular』を運営しています。
脱炭素技術や再エネ導入支援、循環型社会形成に寄与する事例など、実務担当者が求める具体的なソリューション情報を提供。三井物産グループのプロジェクトや技術を記事として可視化することで、ブランディングにもつなげています。
メディアの運営目的は単なる情報発信ではなく、顧客の課題に対する解決策を探している企業との接点を生むことです。その結果、営業活動の効率化やリードの質向上にも貢献していると考えられます。
株式会社キーエンス

株式会社キーエンスは、センサーや測定器などの精密機器を製造・販売する企業です。『安全知識.com』や『測定器ナビ』など、製品特化型のオウンドメディアを多数運営しています。
これらのメディアの目的は、顧客の課題解決のための参考情報を提供し、製品理解を深めることです。また、SEO対策を施したコンテンツにより、検索エンジンからの流入を促進しています。
結果として、リード獲得や製品販売の促進に寄与していると考えられます。
吉南株式会社

吉南株式会社は、倉庫業や生産請負業などを手がける企業です。物流業界に関する情報を提供するオウンドメディア『物流ジャーナル』を運営しています。
メディアの目的は、倉庫や物流アウトソーシングに関するノウハウを発信し、業界内での知見を共有することです。また、社員がプロフィールを開示して記事を執筆することで、企業の透明性と信頼性を高めています。
結果として『保税倉庫』や『倉庫 建設費』などの物流系のキーワードで上位表示を実現し、自然流入を獲得しています。
BtoBにおけるオウンドメディアで得られる5つの効果
ここからは、BtoBにおけるオウンドメディアで得られる効果を、5つにまとめて紹介します。
リード獲得、認知獲得ができる
BtoB企業がオウンドメディアを運用することで、リード獲得、認知獲得ができるといった効果が期待できます。オウンドメディアは、自社で管理して運営するため、狙いたい顧客に合わせたコンテンツを一貫して提供可能です。
顧客が興味を持ちやすい内容を提供することで、ニーズを持つ顧客が自社サイトを訪れ、リードに繋がる可能性が高まります。とくに、BtoB業界の顧客は業界固有の用語や問題に関心を持つことが多い傾向にあります。
そのため、適切なキーワードを活用することでニーズに合った顧客が自社の情報を見つけやすくなり、リード獲得に繋がるのです。また、オウンドメディアでは、コメント機能や問い合わせフォームなどを通じて顧客と直接やり取りできます。
顧客からのフィードバックを元に商品やサービスを改善することで信頼感を醸成し、より多くのリードに変換することが可能です。
コンテンツが会社の資産になる
コンテンツが会社の資産になることも、BtoB企業がオウンドメディアで得られる効果のひとつです。オウンドメディアのコンテンツは、時間が経過しても適切に管理されていれば、検索結果に長期間表示され続けます。
その結果、定期的にリードを獲得することが可能であり「時間とともに価値を生み出す資産」となるのです。また、オウンドメディアで公開されたコンテンツは、企業の専門知識や信頼性を証明する重要な要素となります。
とくに、業界特有の知識や技術的な洞察を含むコンテンツは、狙いたい顧客からの信頼を得るためのきっかけになりやすいです。時間をかけて提供された高品質なコンテンツは、企業の認知度向上などのブランディングに貢献します。
中長期的な広告費の削減につながる
BtoB企業がオウンドメディアを運用することで、中長期的な広告費の削減につなげることができます。なぜなら、自社で集客力を持つメディア(資産)を育てられるためです。
リスティング広告やディスプレイ広告は、費用をかけて出稿している間しか効果が持続しません。一方で、オウンドメディアで制作したSEOに強いコンテンツは、一度上位表示されると広告費をかけずに自然検索で集客ができます。
また、コンテンツをホワイトペーパーやウェビナーなどに活用すれば、ひとつの投資が長期的に成果を生み続ける資産になります。このように、BtoB企業がオウンドメディアを運用することで、広告費をかけないでリードを獲得できる体制づくりが可能です。
企業イメージを自社でコントロールできる
企業イメージを自社でコントロールできることも、BtoB企業がオウンドメディアで得られる効果のひとつです。オウンドメディアなら、顧客に伝えたい情報を、伝えたいタイミングで自由に発信できます。
投稿するコンテンツのテーマや設定を一貫させれば、企業の世界観や信頼性を自然に育てることが可能です。例えば「技術力の高さ」をアピールしたいIT企業の場合、開発事例や技術解説を発信することで「この会社は技術に強い」という印象を与えられます。
また、製造業の企業が「サステナビリティに取り組む姿勢」をアピールしたい場合、自社の取り組みを記事化することで環境に配慮した企業イメージを築くことができます。
オウンドメディアは外部メディアや広告媒体と異なり、第三者の制約を受けないからこそ自社で企業イメージをコントロール可能です。
質の高いリード獲得が見込める
BtoB企業がオウンドメディアを運用することで、質の高いリード獲得が見込めるといった効果が期待できます。なぜなら、自社に興味・関心があるターゲット層を自然に集客できるためです。
オウンドメディアは、単なる広告とは違い、顧客が自ら情報を探してたどり着く『プル型』の集客手法です。課題意識を持って検索し、自ら情報収集しているユーザーが訪れるため、ニーズが顕在化しているリードを獲得しやすい特徴があります。
例えば、下記のようなケースが考えられます。
- 業務効率化に悩む企業担当者が検索して記事を読み、興味を持って問い合わせる
- 新しい技術導入を検討している企業が、導入事例の記事を見て相談してくる
また、コンテンツを通じて自社の強みや専門性を訴求した上で接点が持てるため、商談に進んだ際の質も高くなります。したがって、オウンドメディアは「受注につながる質の高いリード」を安定して獲得できる仕組みと言えるでしょう。
オウンドメディアを成功させるポイント
ここからは、オウンドメディアを成功させるポイントを4つにまとめて紹介します。
独自性を意識する
オウンドメディアを成功させるためには『独自性のある情報発信』が不可欠です。とくに、競争の激しいBtoB領域では、業界の一般的な知識をまとめただけでは不十分です。
他社との差別化が難しく、ユーザーにとっての価値も低くなりがちになります。そこで重要になるのが、自社ならではの視点や強み、具体的な実績に基づいたコンテンツの発信です。
例えば、自社での成功事例や独自の分析データ、専門家の知見などは、他社が簡単に真似できない『独自資産』となります。独自性を打ち出すことで「このメディアだから読みたい」という動機を生み、結果としてリード獲得や信頼構築が可能です。
競合との差別化を意識し、自社らしさを最大限に活かした情報設計が、オウンドメディアの成功を左右するといえるでしょう。
テーマを絞り専門性を高める
オウンドメディアを成功させるためには、テーマを絞って専門性を高めることが極めて重要です。多くの分野を浅く扱うよりも、特定の分野に特化した情報を深く掘り下げることで、読者からの信頼を得やすくなります。
とくにBtoB領域では、ユーザーが専門的かつ実践的な情報を求めて訪れるため、曖昧な内容では支持を得られません。
また、専門性に特化したメディアは、検索エンジンからの評価向上にも直結します。専門性が高いサイトは、Googleからも『その分野における信頼できる情報源』として評価されやすく、上位表示される可能性が高まります。
そのため、明確なテーマ設定を行い、専門性の高いオウンドメディアの運営を心がけましょう。
定期的に改善を行う
オウンドメディアを成功させるには、定期的な改善が欠かせません。初期の立ち上げで満足せず、運用後も継続的に見直しを行い、メディアとしての質を高めていくことが重要です。
とくに重要なのが、アクセス数や直帰率・滞在時間・コンバージョン率といった定量的なデータの分析です。定量的な指標をもとに「どこで離脱が多いか」「どのCTAが効果的か」などを客観的に把握し、改善策を講じていきます。
また、ユーザーのニーズや検索トレンドは日々変化するため、定期的にテーマの見直しや記事の更新を行うことも大切です。PDCAを意識しながら柔軟に対応を続けることで、ユーザーから選ばれるメディアへと成長させることができます。
状況に合わせて外注する
状況に合わせて外注することも、オウンドメディアを成功させるポイントのひとつです。オウンドメディアの運用には、企画立案から記事構成、ライティング、編集・校正まで多岐にわたる作業が発生します。
すべてを社内リソースだけでまかなうのは現実的に難しく、立ち上げ初期や運用体制が整っていない段階では大きな負担となります。そこで有効なのが、状況に応じて専門業者へ外注するという選択です。
外注を活用すれば、質の高いコンテンツを確保しながら、社内の人的リソースを他の重要業務に集中させることができます。また、SEOやマーケティングに精通した外部パートナーと連携することで、戦略的に効果的なメディア運用が実現しやすくなります。
自社のフェーズや目標に応じて適切に外注を取り入れることで、効率的かつ成果につながるオウンドメディアを構築することが可能です。
まとめ
本記事では、業界別にBtoBのオウンドメディア事例を紹介しました。BtoBには「製品やサービス導入までの検討期間が長い」という特長があります。
BtoCと比べ、見込み顧客を根気強く育成していく必要があるため、中長期的な施策であるオウンドメディアは相性が良いです。したがって、これからオウンドメディアの運営を検討している方は、積極的にチャレンジしてみましょう。
新規顧客の獲得チャネルに課題を感じていたり、高単価・長期商材で営業が属人的になっている場合にはとくにおすすめです。本記事で紹介した事例を参考にしながら、オウンドメディアを構築してみてください。
本記事があなたのお役に立てることを願っております。