オウンドメディアリクルーティングとは?種類・メリット・成功事例も徹底解説

「またコストをかけて求人広告を出しても、応募が集まらないかも…」
「入社してもすぐ辞めてしまうのは、会社の魅力をうまく伝えられていないから?」

採用活動が年々困難になる中、そんな悩みを抱える採用担当者は少なくありません。従来の求人媒体や人材紹介だけでは企業の本当の価値を伝えきれず、採用ミスマッチが生じやすい時代になっています。

そこで注目されているのが「オウンドメディアリクルーティング」です。自社が運営するメディアを通じて企業文化や社員の声を継続的に発信し、共感してくれる人材との接点を作る採用手法です。

本記事では、限られた予算や人員でも実践できるオウンドメディアリクルーティングの基本から成功事例まで徹底解説します。採用に課題を感じている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • オウンドメディアリクルーティングの基本と従来採用手法との違い
  • 採用課題の変化とオウンドメディア活用が求められる理由
  • 導入ステップや必要な体制・コンテンツの具体例
  • 実際の成功事例と運用時のメリット・デメリット
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この記事の監修者
X-knock代表取締役 遠藤惇
株式会社X-knock代表 遠藤 惇

大学卒業後、Webマーケティング会社を設立。金融メディアを運営。その後、SNSマーケティングの会社に参画し、Web・オウンドメディアの立ち上げ、クリエイティブディレクターとして企画戦略、撮影編集の統括。SNSマーケティング会社の取締役を経て、2021年に株式会社X-knockの代表として総合Webマーケティング会社を起業。数多くのクライアントのマーケティング支援を行う。

目次

採用難時代に注目される「オウンドメディアリクルーティング」とは

採用市場が激化するなか、オウンドメディアリクルーティングが注目されています。企業が自社で情報発信できるこの手法は、母集団形成の新しい選択肢です。

活用される媒体には、企業サイト、採用サイト、ブログ、SNSアカウントなどがあります。それぞれ役割や特徴が異なり、組み合わせることで効果を高められます。

以下では、代表的なオウンドメディアの種類について解説します。

  • 企業ブログ・コラム
  • 採用特化型サイト
  • SNSアカウント

続いて、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

企業ブログ・コラム

企業公式サイト内のブログや、採用広報専用のブログメディアを指します。社員の日常や社内イベント、プロジェクト事例、会社の価値観などを記事形式で発信し、自社の「人」やカルチャーに焦点を当てて魅力を伝える場として活用されます。

たとえばメルカリ社はカルチャー発信に特化した「mercan(メルカン)」というブログで働く人の想いや社風を伝えるコンテンツを豊富に掲載しています。

採用特化型サイト

採用情報を重点的に掲載する自社運営のウェブサイトです。募集要項や求める人物像といった求人情報に加え、社員紹介や社風紹介など応募者が知りたい情報を網羅します。

自社の魅力をまとめた採用ホームページは、求職者に安心感を与え応募意欲を高める効果があります。最近ではエン・ジャパンの「engage」のように無料で採用サイトを作れるサービスもあり、多くの企業(40万社以上)が活用しています。

SNSアカウント

企業や採用担当者が運用する公式SNSアカウントも、重要なオウンドメディアの一つです。InstagramやTwitterを活用し、日々の社内風景や社員の声、募集告知などをカジュアルに発信できます。

特に若年層では、企業名をSNSで検索する行動が一般化しており、認知拡大に直結します。たとえば、サイバーエージェントでは採用専用Instagramでオフィスの雰囲気を紹介し、応募促進に成功しています。SNSの拡散力を活かすことで、フォロワー以外にも情報を届けることが可能です。

オウンドメディアリクルーティングと従来の採用手法との違い

オウンドメディアリクルーティングと従来の採用手法との違いは、「媒体の所有」と「アプローチ方法」にあります。従来は求人媒体や人材紹介といった第三者のサービスを利用する受動的な採用が一般的でした。

一方、オウンドメディアリクルーティングでは、自社で媒体を保有し、能動的に情報を発信します。これにより表現の自由度が高まり、検索やSNS経由で求職活動をしていない層にもアプローチできるようになります。

次に、下記2つの従来型手法との具体的な違いを見ていきましょう。

  • 求人媒体・広告との違い
  • 人材紹介との違い

それでは解説していきます。

求人媒体・広告との違い

項目オウンドメディアリクルーティング求人媒体・広告
媒体の所有者自社第三者運営のサイト
情報発信の自由度高い(自由に表現可能)低い(レイアウト・文字数制限)
アプローチ方法能動的(自ら発信・拡散)受動的(掲載して待つ)
コスト感初期投資あり→長期的に低コスト広告費が都度発生
魅力の伝達精度直接伝達できる制限あり(表現制限)
ミスマッチ防止効果高い(リアルな情報発信)低め

求人媒体や広告では、第三者が運営するサイトに掲載するため、レイアウトや文字数などに制約が生じます。企業独自の魅力を十分に表現することが難しく、基本的には「受け身」の採用活動になりがちです。

一方、オウンドメディアリクルーティングでは、自社サイトやSNSを活用して情報を自由に発信できます。求職者へのアプローチ方法も能動的になり、企業文化やビジョンを深く伝えられるため、共感度の高い母集団形成が可能になります。

人材紹介との違い

項目オウンドメディアリクルーティング人材紹介
媒体の所有者自社第三者(エージェント)
情報発信の自由度高い(自由に表現可能)低い(エージェント経由で伝達)
アプローチ方法能動的(自ら発信・拡散)受動的(紹介を待つ)
コスト感初期投資あり→長期的に低コスト紹介手数料が発生
魅力の伝達精度直接伝達できる間接的(伝達のズレあり)
ミスマッチ防止効果高い(リアルな情報発信)低め

人材紹介は、エージェントという第三者を介して求職者と接点を持つ仕組みです。紹介者を通すため、企業の魅力や社風が正確に伝わらないリスクが存在します。また、紹介手数料も発生し、コスト面での負担が大きくなりがちです。

これに対し、オウンドメディアリクルーティングでは、企業自身が直接求職者へ情報を届けます。フィルターを通さず、自社の魅力をありのまま伝えられるため、ミスマッチを防ぎやすく、採用の質向上にも寄与します。

オウンドメディアリクルーティングが注目されている背景

ここまで、オウンドメディアリクルーティングについてや従来の採用方法との違いについて解説してきました。ここからは近年、オウンドメディアリクルーティングがなぜ注目されているのか背景について迫っていきます。

注目されている背景には下記の4つの変化があります。

  • 求職者の情報収集手段が多様化している
  • 少子高齢化による採用市場の競争激化
  • 求職者の価値観の多様化
  • 入社後の情報が重要になっている

これまでの採用方法だけでは、なぜうまく行かなくなってきてしまったのかその理由について理解し社内でどのように採用課題について取り組むべきなのか一つの材料として参考にしてください。

求職者の情報収集手段が多様化している

求職者は、求人票だけでなく企業サイト、SNS、口コミサイト、動画プラットフォームなど、さまざまなチャネルから情報を収集するようになりました。特に若年層では、SNS検索が応募前の標準行動となっています。

こうした状況では、企業が公式サイトやSNSを活用し、自社の魅力を多角的に発信することが欠かせません。オウンドメディアリクルーティングは、これら多様化する情報収集チャネルに対応するための有効な手段となっています。

少子高齢化による採用市場の競争激化

少子高齢化により労働人口が減少し、若手人材の争奪戦が激しさを増しています。特に20代〜30代前半の人材確保は、中小企業だけでなく大企業でも困難になりつつあります。

従来の求人媒体や人材紹介だけでは十分な母集団形成が難しいため、自社独自の魅力を発信できるオウンドメディアリクルーティングの重要性が高まっています。他社との差別化を図り、自社にマッチする人材を惹きつける戦略が求められています。

求職者の価値観の多様化

働き方改革やリモートワークの普及により、求職者の価値観は大きく変化しました。給与や安定性だけでなく、企業の理念、文化、働き方の柔軟性などを重視する傾向が強まっています。

企業は、単なる待遇条件だけでなく、自社のビジョンや社風、働く人々のリアルな姿を伝える必要があります。オウンドメディアリクルーティングは、こうした価値観にマッチした情報発信を行ううえで最適な手段といえるでしょう。

入社後の情報が重要になっている

求職者は、入社後のキャリアパスや職場環境、日々の業務内容までリアルに知りたいと考えるようになっています。表面的な求人情報だけでは応募を決意しにくい時代です。

オウンドメディアリクルーティングでは、社員インタビューやプロジェクト紹介、職場の雰囲気を伝えるコンテンツを通じて、入社後のイメージギャップを減らすことができます。これにより、ミスマッチによる早期離職を防ぐ効果も期待できます。

オウンドメディアリクルーティング3つのメリット

オウンドメディアリクルーティングには、従来の採用手法にはない大きなメリットが存在します。単なる応募数の増加だけでなく、企業文化や理念に共感した人材との出会いを実現し、採用の質を高められる点が特長です。

ここでは、オウンドメディアリクルーティングの代表的なメリットを3つに絞り、具体的にご紹介します。

  • ただの仕事ではなく「会社で働く意味」を伝えられる
  • 長期的視点で見た採用コスト削減効果
  • 応募者の質が上がり、早期退職を防げる

それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

「ただの仕事」ではなく「会社で働く意味」を伝えられる

オウンドメディアリクルーティングでは、求人票だけでは伝えきれない「会社で働く意味」まで深く届けることができます。たとえば、社員インタビューやプロジェクトストーリーを通して、企業理念やビジョン、働く人々の想いを具体的に表現することが可能です。

これにより、単なる条件面だけではなく、「この会社で働きたい」という共感ポイントを生み出せます。特にミッションや価値観に共鳴した人材を惹きつけるうえで、大きな力を発揮します。

長期的視点で見た採用コストの削減効果

オウンドメディアリクルーティングは、初期投資こそ必要ですが、長期的に見ると大きなコスト削減効果が期待できます。求人広告のように掲載ごとに費用が発生するわけではなく、一度構築したサイトやコンテンツが資産として蓄積されていくためです。

定期的な更新や改善を行うことで、SEO効果も高まり、自然流入による応募獲得が可能になります。結果として、採用コストの平準化と効率化が図れるのが大きな強みです。

応募者の質が上がるためミスマッチによる早期退職を防げる

オウンドメディアリクルーティングでは、事前に企業文化や職場環境、働く人々のリアルな姿を発信できます。そのため、応募者はより具体的な入社後イメージを持ったうえで応募することができ、ミスマッチを減らす効果が期待できます。

「思っていた職場と違った」という理由による早期離職を防ぎ、定着率向上にもつながるでしょう。結果的に、採用活動の効率化と組織の安定化に貢献することができます。

オウンドメディアリクルーティング3つのデメリット

オウンドメディアリクルーティングは多くのメリットを持つ一方で、注意すべきデメリットも存在します。短期的な即効性が期待できない点や、運用コスト、人的リソースの確保など、導入・運用に一定の負担がかかることは否定できません。

ここでは、オウンドメディアリクルーティングに取り組む際に注意したい3つのデメリットについて詳しく解説します。

  • 即効性はないため成果が出るまでに時間がかかる
  • 導入・運用にコストがかかる
  • サイト運用・コンテンツ制作スタッフのリソースが必要となる

それぞれについて十分に理解をしたうえで取り組むべきなのか検討してみてください。

即効性はないため成果が出るまでに時間がかかる

オウンドメディアリクルーティングは、短期間で成果が出る手法ではありません。サイト構築後、検索エンジンでの評価が高まるまでに時間がかかり、コンテンツの蓄積やSNSでの拡散にも一定期間を要します。

一般的には、効果を実感できるまでに半年〜1年程度かかるケースが多く、短期的な採用施策とは異なる長期目線での取り組みが求められます。すぐに結果を出したい場合には不向きな点に注意が必要です。

導入・運用にコストがかかる

オウンドメディアリクルーティングは、無料で簡単に始められるイメージを持たれがちですが、実際にはさまざまなコストが発生します。採用サイト構築費用、CMS導入費用、コンテンツ制作費、SEO対策費用などが代表的です。

さらに、サイト公開後も定期的な改善や運用コストが必要となるため、初期投資だけでなく中長期の運用費用も見込んでおく必要があります。質を維持しつつ、コストを適切に管理するバランス感覚が求められます。

サイト運用、コンテンツ制作スタッフのリソースが必要となる

オウンドメディアリクルーティングを効果的に運用するためには、コンテンツ制作やサイト運営に関わる人的リソースが欠かせません。社員インタビューの実施、記事執筆、写真撮影、サイト更新作業など、幅広い業務が発生します。

特に採用担当者が兼任で対応する場合、通常業務との両立が難しくなるケースもあります。リソース不足が原因で更新が滞ると、メディアとしての信頼性低下につながりかねません。継続的な運営体制を事前に整えておくことが重要です。

オウンドメディアリクルーティングに取り組む必要がある企業・不要な企業の特徴

オウンドメディアリクルーティングは、すべての企業に適しているわけではありません。効果を得やすい企業と、導入に適さない企業には明確な違いがあります。

ここでは、オウンドメディアリクルーティングに取り組むべき企業と、慎重な判断が必要な企業の特徴を整理します。自社の採用状況や課題に照らし合わせながら、導入の可否を判断する参考にしてください。

  • 取り組むべき企業の特徴
  • 取り組む必要がない企業の特徴

それぞれ詳しく解説していきます。

取り組む必要がある企業

オウンドメディアリクルーティングに取り組むべき企業は、次のような特徴があります。

  • 通年で採用活動を行う、または年間採用人数が一定数以上ある
  • 現在の求人媒体や人材紹介で十分な成果が得られていない
  • 自社のブランディング力を高めたいと考えている

特に、知名度が低い、またはニッチな業界に属する企業にとって、独自の情報発信は採用成功の鍵となります。自社の魅力を自ら伝え、共感を得ることで、母集団形成とミスマッチ防止の両方を実現できるでしょう。

取り組む必要がない企業

一方で、オウンドメディアリクルーティングに取り組む優先度が低い企業も存在します。

  • 年間採用活動が非常に少ない(例:年に1〜2名のみ)
  • できるだけ早く人材を確保したい
  • 採用活動自体の優先順位が低い、社内の協力体制が整わない

オウンドメディアリクルーティングは即効性に乏しく、継続的な発信と運営が必要なため、短期間で成果を求める場合には不向きです。また、社内の協力を得られない場合も、更新が滞りやすく効果を発揮しにくくなります。

【採用に悩む企業必見】オウンドメディアリクルーティングをやるべきか一目でわかる10の質問

「オウンドメディアリクルーティングをやったほうがいいのかまだわからない」

「何か基準や条件などはないかな?」

まだまだ、オウンドメディアリクルーティングについて不明点やお悩みを抱えている方に向けて、オウンドメディアリクルーティングが自社に適しているかどうかを判断するチェックリストを作成しました。

こちらのチェックリストを使用して、導入可否を見極めてはいかがでしょうか。

チェック項目解説
① 中長期的に採用活動を行う予定がある単発採用ではなく、継続して人材を募集している企業に向いています。
② 応募者数や質に課題を感じている媒体掲載だけでは十分な母集団形成ができていない場合に効果があります。
③ 採用にかかるコストを削減したいオウンドメディアは初期投資はあるものの、長期的には広告費を削減できます。
④ 自社のカルチャーや魅力をうまく伝えられていない採用媒体だけでは伝えきれない「働くリアル」を表現できるのがOMRの強みです。
⑤ 経営層が採用の重要性を理解しているコンテンツ制作や社内取材には、上層部の理解と協力が欠かせません。
⑥ 自社サイトやCMSをある程度運用できるWeb運用スキルが社内にあるか、外注管理ができる体制が理想です。
⑦ 社員インタビューやストーリー発信に前向きな風土がある現場社員の協力が得られると、リアルで共感されやすい記事が作れます。
⑧ 知名度が低く、他社に埋もれやすいと感じているオウンドメディアは、差別化と認知向上を同時に実現できます。
⑨ 採用広報やブランディングに力を入れていきたい採用活動を通じてファンや共感者を増やしたい企業に向いています。
⑩ 自社の採用活動を仕組み化したい採用情報を資産として蓄積し、継続的に機能させたい企業には最適です。

オウンドメディアリクルーティング導入ステップ

オウンドメディアリクルーティングを成功させるには、闇雲に始めるのではなく段階的に準備を進めることが重要です。適切な設計と運用体制を整えることで、長期的に効果を発揮する採用チャネルを構築できます。

ここでは、導入までの基本4ステップを紹介します。

  • 自社の採用課題と目標の明確化
  • ターゲット人材の定義
  • 採用戦略の設計
  • 適切なメディア選定と制作計画

それぞれのステップについて詳しく解説していきます。

自社の採用課題と目標の明確化

オウンドメディアリクルーティングを始める前に、まず自社の採用課題と目標を明確にすることが不可欠です。応募者数の不足、採用単価の高さ、ミスマッチによる早期離職など、現状抱えている課題を洗い出しましょう。

そのうえで、「エントリー数を増やす」「認知度を高める」「離職率を下げる」など、達成すべき目標を具体化します。課題と目標を明確にすることで、戦略設計やコンテンツ設計の精度が飛躍的に高まります。

ターゲット人材の定義

次に、採用したいターゲット人材を明確に定義します。求める人物像やスキル、経験はもちろん、ターゲット層が普段どのメディアを使い、どのような価値観を持っているかまで深堀りすることが重要です。

ペルソナ設計を行うと、より具体的なターゲット像が描けます。ターゲットの明確化により、発信すべきコンテンツや使用するメディア、訴求ポイントがぶれず、効果的な採用活動を展開できます。

採用戦略を考える

ターゲットを定めたら、採用戦略を具体的に設計します。「どのチャネルを使い、どのタイミングで、どのようなメッセージを届けるか」を整理することがポイントです。

オウンドメディア単独ではなく、求人媒体や社員紹介、SNSなどとの連携を考慮し、全体設計を行います。また、エントリー数やサイトPV、SNSフォロワー数など、KPIを事前に設定しておくことで、施策の効果検証がしやすくなります。

適切なメディア選定と制作計画

次に、実際に使用するメディアを選定し、制作計画を立てます。既存のコーポレートサイト内に採用コンテンツを設ける方法もあれば、独自の採用特化型サイトを立ち上げる選択肢もあります。

予算やリソースに応じて、CMS(WordPressなど)の導入やSNSアカウントの開設も検討しましょう。制作スケジュール、ローンチ時期、初期コンテンツ本数なども事前に計画しておくことで、スムーズな立ち上げが可能になります。

オウンドメディアリクルーティングのコンテンツ例

オウンドメディアリクルーティングでは、母集団を形成できるかがポイントになります。オウンドメディアリクルーティングで発信する具体的なコンテンツの例を7つ紹介します。自社の魅力や雰囲気が伝わる題材を選び、ターゲット人材が興味を持ちそうな切り口で情報発信することがポイントです。

  • 社員インタビュー
  • 経営者のメッセージ
  • 顧客の声と事例
  • 自社サービス・事業の紹介
  • 社内イベント、レクリエーションの紹介
  • 福利厚生・制度の紹介
  • 求人情報・選考情報の発信

上記7つのコンテンツについて解説していきますので自社でまだ取り組めていないものや取り組めそうなものがないか確認してみましょう。

社員インタビュー

自社で働く社員の生の声を伝える定番コンテンツです。若手からベテランまで様々な社員に、業務内容、仕事のやりがい、入社の決め手、日常の流れなどを語ってもらいます。

文章だけでなく写真や動画で人柄が伝わるようにすると効果的です。社員のリアルな声は求職者にとって最も興味深く親近感を抱きやすい情報であり、「こんな人たちと働きたい」という共感を生み出します。

経営者のメッセージ

社長や経営陣から求職者へのメッセージを発信するコンテンツです。企業理念、ミッション・ビジョン、創業ストーリー、実現したい未来などをトップ自らの言葉で語ります。求職者は経営者の人柄や価値観に関心が高いため、動画メッセージなどで熱意を伝えると効果的です。

経営トップの考え方に共感できるかどうかは応募意思を左右する重要なポイントになります。

顧客の声と事例

顧客の声や事例紹介は、自社が社会にどのような価値を提供しているかを示す絶好の機会です。実際にサービスを利用した顧客からの評価や成功事例を紹介することで、社員の仕事への誇りややりがいも間接的に伝えられます。

「どんな課題をどう解決したか」を具体的に示すと、求職者は自分が入社後に担う役割や影響力をイメージしやすくなります。ストーリー性を持たせると、より深い印象を与えることができます。

自社サービス・事業の紹介

自社のプロダクトやサービスについて、その魅力や社会貢献を紹介するコンテンツです。単なる商品PRではなく、開発背景、競合優位性、提供価値などストーリー性を持たせることが重要です。

現在進行中の新規事業や研究開発の取り組みを伝えることで、チャレンジ精神旺盛な求職者の興味を引くこともできます。

社内イベント、レクリエーションの紹介

社内で行っているイベント(全社合宿、部活動、社内表彰など)や日常風景をレポートする記事です。写真を多用して社員の様子を見せることで、社風や職場の雰囲気を直感的に伝えられます。

「楽しそうな職場」「チームワークが良さそう」という印象を与え、求職者の不安を和らげる効果があります。

福利厚生・制度の紹介

自社ならではのユニークな福利厚生や働き方制度を紹介するコンテンツです。リモートワーク制度、副業制度、研修制度などを、制度を作った背景や社員の利用例と共に発信します。

柔軟な働き方を求める層に向けて、具体的な制度活用例を示すことで応募検討者の参考になります。

求人情報・選考情報の発信

具体的な募集要項や採用プロセスに関する情報も重要なコンテンツです。単に職種や待遇だけでなく、採用の背景、期待する役割など踏み込んだ内容を提供すると、求職者の応募判断材料になります。

採用イベント情報も掲載し、オウンドメディア経由でイベント集客を行うことで母集団形成につなげられます。

成功事例から学ぶオウンドメディアリクルーティング

オウンドメディアリクルーティングを成功に導いた企業の取り組みは、大いに参考になります。本章では、実際に成果を挙げた企業事例を紹介し、どのようにオウンドメディアを活用したのかを具体的に見ていきましょう。

今回紹介する事例は下記の4社です。

  • 株式会社ベイジ:「ベイジの日報」
  • 株式会社メルカリ:「mercan」と「mercari careers」
  • DMM.com:「DMM inside」
  • サイボウズ:「サイボウズ式」

それぞれの取り組みから、オウンドメディアリクルーティング成功のヒントを探っていきましょう。

株式会社ベイジ:「ベイジの日報」

出典元:https://baigie.me/nippo/

株式会社ベイジは、自社のリアルな業務風景を「ベイジの日報」として日々発信しています。社員が執筆する業務レポートをもとに、自然体な社内の雰囲気や働き方を可視化。

誇張や演出を排除した飾らないコンテンツが、誠実な社風を求職者に伝えています。ベイジは知名度に頼らず、オウンドメディアを通じて共感層を着実に獲得することに成功しました。

株式会社メルカリ:「mercan」と「mercari careers」

メルカリは、「mercan」で社員インタビューやプロジェクト秘話など、文化や価値観を発信。「mercari careers」では職種別の働き方や福利厚生情報を詳しく紹介しています。

2つのオウンドメディアを役割分担しながら運営し、求職者に対してリアルな職場像を届けています。採用広報とカルチャー発信を両立させたこのモデルは、多くの企業の参考となる取り組みです。

DMM.com:DMM inside

出典元:https://inside.dmm.com/

DMM.comは、技術系社員を中心とした情報発信プラットフォーム「DMM inside」を運営しています。エンジニアブログやプロジェクト裏話、社員インタビューを通じ、社内文化や働き方の透明性を高めています。

専門職採用に強く、技術力や挑戦的な社風を求める層に刺さるコンテンツ作りを徹底。専門性の高い情報発信が、採用競争力の向上に寄与しています。

サイボウズ:サイボウズ式

出典元:https://cybozushiki.cybozu.co.jp/

サイボウズは、自社オウンドメディア「サイボウズ式」を通じて、働き方や組織論に関する情報を広く発信しています。社内だけでなく、社会全体に向けた価値あるコンテンツを提供するスタイルが特徴です。

企業情報にとどまらず、働き方トレンドやダイバーシティ推進など、社会課題への姿勢も打ち出しています。この取り組みが企業ブランディングと採用力向上の両面で大きな効果を発揮しています。

オウンドメディアリクルーティング導入に必要な予算と工数

オウンドメディアリクルーティングを成功させるには、初期構築費用と継続的な運用コストの両方を見込んでおく必要があります。適切な予算と人的リソースを確保することで、安定的に成果を生み出せる体制を整えることができます。

ここでは、導入時に必要な初期費用の目安と、運用開始後に必要となる人的リソース・工数について紹介します。

  • 初期構築に必要な費用の目安
  • 運用に必要な人的リソースと時間

それぞれ詳しく見ていきましょう。

初期構築に必要な費用の目安

オウンドメディアを一から立ち上げる場合、サイト設計・構築に2〜3ヶ月程度の期間を見込む必要があります。費用面では、採用サイトを外部委託でしっかり作る場合、100万〜300万円程度が一般的です。

具体的には、テンプレート活用で15万円〜、オリジナルデザイン制作で約200万円〜が目安となります。また、採用LP(ランディングページ)制作は1ページあたり30万円〜が相場です。予算に応じてWordPress活用や既存サイトへのページ追加なども検討しましょう。

運用に必要な人的リソースと時間

オウンドメディアリクルーティングは、立ち上げ後も継続的なコンテンツ更新と運用が必要です。たとえば、月2本の記事を公開する場合でも、企画、取材、執筆に毎月数十時間の工数がかかります。

社内担当者が兼任する場合は、業務時間の20%程度を広報コンテンツ制作に充てる目安が必要です。外部ライターや運用代行会社に委託する場合は、月額数十万円の運用コストも見込んでおきましょう。

安定運用のためには組織体制の設計が不可欠となるので、外部リソースの活用も念頭に入れて、計画を立てましょう。

オウンドメディアリクルーティング成功のポイントは「人×仕組み」が重要

オウンドメディアリクルーティングを成功させるためには、単にメディアを作るだけでは不十分です。経営層の理解と協力を得る「人」、継続的にコンテンツを生み出す「仕組み」の両輪を整えることが重要となります。

短期的な視点ではなく、中長期的な採用戦略の一環として位置づけ、全社で取り組む体制を作りましょう。認知度が低い中小企業でも、地道な発信の積み重ねがブランド力と採用力の向上につながります。

成果を出すためには、粘り強く、着実に、メディアを育て続け自社に興味や関心を持ってくれる人材と一人でも多く接点を持てるように日々コツコツとオウンドメディアの更新を心がけていくことが大切です。

まとめ

オウンドメディアリクルーティングは、中長期的に採用力を高める有効な手段です。しかし、成果を出すには、社内の協力体制と継続的な運営の仕組みが不可欠。

本記事では、オウンドメディアリクルーティングの基本やメリット・デメリットに加え、成功に必要な設計と体制構築の重要性を詳しく解説しました。導入を検討する際は、自社に適した準備と戦略を整えることが成功のカギとなるので全社的に行えるように努めていきましょう。

X-knockメディア編集部
株式会社X-knockはWeb制作・SEO対策・広告運用を中心としたWebマーケティング会社になります。「成長のキッカケを創る」をミッションとして、事業の成長・個人の成長をマーケティングの力で支援する企業です。
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