オウンドメディアはWordPressで始めるべき?作り方と成功のコツまで

オウンドメディアという言葉を耳にする機会が増えたものの「結局なにをどう作ればよいのか」と戸惑っている方も多いのではないでしょうか。立ち上げを任された担当者の方は、テーマやCMSの選定、運用体制の構築まで、検討すべき項目が多く大変ですよね。
その中で、もっともよく選ばれているのが『WordPress』を使った構築です。しかし「なぜWordPressが選ばれているのか」「自社に向いているのかどうか」といった判断軸を持てず、踏み出せずにいる方も少なくありません。
そこで本記事では、WordPressを活用したオウンドメディアの立ち上げに必要な知識を、テーマ選びや構築ステップ、外注・内製の判断基準まで網羅的に解説します。事例やマトリクスも交えながら、成果につながる設計の考え方を整理していきましょう。
- 多くの企業がWordPressを選ぶ理由は、世界で最も普及しているCMSであるため
- オウンドメディア立ち上げにはKPI設定とペルソナの設定が重要
- オウンドメディアでSEOを重視するなら『SWELL』がおすすめ
- 「どこまでを内製し、どこからを外注にすべきか」を見極めることが非常に重要

株式会社X-knockは、渋谷にオフィスを構えるWebマーケティングにおけるドクターです。
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大学卒業後、Webマーケティング会社を設立。金融メディアを運営。その後、SNSマーケティングの会社に参画し、Web・オウンドメディアの立ち上げ、クリエイティブディレクターとして企画戦略、撮影編集の統括。SNSマーケティング会社の取締役を経て、2021年に株式会社X-knockの代表として総合Webマーケティング会社を起業。数多くのクライアントのマーケティング支援を行う。
WordPressでオウンドメディアを始めるべき理由
企業がオウンドメディアを立ち上げる際、選択肢として圧倒的な支持を得ているのがWordPressです。無料で始められる手軽さだけでなく、設計の柔軟性やSEOとの相性の良さから、中長期的な成果を見据えた媒体設計が可能です。
また、国内外問わず多くの導入実績があり、情報資産としての信頼性も高い点が評価されています。CMSの選定は、オウンドメディアの成功可否に大きく関わる要素です。
ここからは、WordPressでオウンドメディアを始めるべき理由を、2つにまとめて紹介します。
なぜ多くの企業がWordPressを選ぶのか?
多くの企業がWordPressを選ぶ理由は、世界で最も普及しているCMS(コンテンツ管理システム)であるためです。WordPressは、オープンソースで無料提供されており、サーバーにインストールするだけで誰でも簡単にWebサイトを構築できます。
拡張性に優れ、豊富なプラグインやテーマを活用することで、自社の目的に合った柔軟な設計が可能です。特にオウンドメディア運用においては、更新しやすく、スピーディーに改善施策を反映できる点が強みとなります。
また、世界的な利用者の多さから、ノウハウやトラブル対処の情報も充実しており、社内のITリテラシーに左右されにくいのも選ばれる理由の一つです。
他CMSと比較したときの違いは?
WordPress以外にもWixやSTUDIOなど、ノーコードで使えるCMSは増えています。こうしたサービスは直感的な操作性に優れていますが、SEO施策や構造的なサイト設計においては自由度が制限されるケースもあります。
一方、WordPressはHTMLやCSSのカスタマイズがしやすく、内部リンク設計やメタ情報の最適化といったSEO強化に向いた仕様となっています。また、運用フェーズに入ってからの改善・拡張にも強く、企業ごとに異なるKPIやUI要件に対応しやすいのが大きな特長です。
成果につなげる長期的な運用を前提とするなら、WordPressは有力な選択肢といえるでしょう。
オウンドメディア立ち上げに必要な設計ステップ
成果を生むオウンドメディアには、明確な戦略設計が不可欠です。ただWebサイトを立ち上げただけでは、情報発信の軸が定まらず、読み手にも魅力が伝わりません。
とくに社内に知見が少ない場合「誰に、何を、どのように届けるか」が曖昧なまま構築が進んでしまうケースも少なくありません。ここからは、成果に直結する設計を行うための基本ステップを、2つにまとめて解説します。
これらを明確にすることで、サイト全体の構成やコンテンツの方向性に一貫性が生まれ、読み手の共感と成果につながる設計が可能になります。
まず整理すべき目的とKPIとは?
オウンドメディアは目的に応じて、目指す成果や運用方法が大きく変わります。たとえばリード獲得が主目的であれば、SEOを重視した集客コンテンツとCV導線の設計が欠かせません。
一方、採用広報が目的であれば、社員インタビューやカルチャー発信が中心になります。そのため、構築前に「何のためにメディアを立ち上げるのか」を明確にし、それに基づいたKPIを設定することが重要です。
PVやUU、CVRなど、フェーズに応じた指標を設定することで、施策の検証・改善もスムーズに行えます。
ターゲットとペルソナ設計の進め方
成果の出るメディアを構築するには『誰に向けたコンテンツなのか』を明確にすることが第一歩です。漠然としたターゲットでは、メッセージが曖昧になり、読み手の共感を得られません。
そこで有効なのが、理想の読者像を具体的に描く『ペルソナ設計』です。ペルソナとは、年齢・職種・課題・関心ごとなどを設定した架空の読者モデルのことです。
ペルソナを活用することにより、UXや導線設計の最適化、記事テーマや語り口調の調整などがしやすくなります。
たとえば「30代のWeb担当者」「決裁権のないマーケティング職」といった実態に即したペルソナを設定することで、現場のリアルな課題に寄り添った発信が可能になります。
自社にWordPress型オウンドメディアは合うのか?
WordPressは汎用性の高いCMSとして知られていますが、すべての企業にとって最適とは限りません。構築や運用には一定のリソースが必要となるため、自社の状況に合った媒体設計かどうかを見極めることが重要です。
特に「成果につながる設計・運用が実現できるか」という視点からの判断が求められます。ここでは、WordPressが向いている企業の傾向や、目的別の活用事例を紹介したうえで、自社が適しているかどうかをセルフチェックできる診断マトリクスも提示します。
導入前に適性を可視化しておくことで、構築後のトラブルや見直しのリスクを避け、長期的な成果に結びつけやすくなります。
業種・目的別に見るWordPress活用の適性
WordPressは、企業の業種やマーケティング目的によって向き不向きがあります。たとえば中小規模のBtoB企業の場合、コストを抑えながら自社の専門性を発信できるメディア構築が可能です。
テンプレートとプラグインを組み合わせることで、外注に頼らずスモールスタートできる点も評価されています。
また、採用ブランディングを強化したいベンチャー企業にとっても、WordPressは有効です。社員の声やカルチャーを継続的に発信しやすく、SNSとの連携による情報拡散にも適しています。
自社に合うか診断できるマトリクス紹介
「WordPressが良いと聞いたから」と安易に導入しても、運用が続かず形骸化してしまうケースは少なくありません。そこで有効なのが、自社の体制や目的に基づいて、構築適性を事前に整理する診断マトリクスです。
たとえば、下記のような観点でチェックを行うことで、実行可能性を客観的に判断できます。
- 社内に継続的に更新を担える人材がいるか
- コンテンツの企画・制作体制があるか
- SEOを意識した設計・改善ができるか
こうした軸を整理することで、WordPressでの構築が適しているか、他の選択肢を検討すべきかの判断材料になります。導入後の手戻りを避けるためにも、構築前に自社の条件を明確にすることが重要です。
WordPressテーマの選び方とおすすめ紹介
WordPressでオウンドメディアを構築する際、テーマの選定は成功への大きな分岐点となります。テーマとは、サイトのデザインや構成、管理画面での操作性を決めるテンプレートのことです。
目的に合わないテーマを選んでしまうと、情報発信がしづらくなり、成果にもつながりにくくなります。ここでは、目的別に適したおすすめテーマを紹介するとともに、使いやすさとデザイン性のバランスをどう取るべきかを解説します。
見た目の印象だけで選ぶのではなく、運用フェーズも見据えたテーマ選定が重要です。企業ごとの体制や制作リソースに応じた最適なテーマを見極めていきましょう。
目的別に見るおすすめテーマ
オウンドメディアの目的に合わせてテーマを選ぶことは、成果を出すうえで欠かせません。たとえばSEOを重視するなら『SWELL』がおすすめです。高速表示や構造化データ対応など、検索エンジンに評価されやすい設計が施されています。
一方、採用ブランディングを重視する企業には『THE THOR』などのビジュアル訴求力が高いテーマが適しています。トップページに動画や動きのあるデザインを取り入れることで、企業イメージを効果的に伝えることが可能です。
このように、目的に応じたテーマ選定を行うことで、構築後の成果や運用のしやすさが大きく変わります。見た目の好みだけで選ぶのではなく、達成したいゴールに合った設計思想を持つテーマを選びましょう。
デザイン性 vs 更新性のバランス
テーマ選定では、見た目の美しさに惹かれて選ぶケースが多く見られますが、更新しづらいテーマを選ぶと運用面での負担が大きくなります。
たとえば画像の差し替えや文字調整に専門知識が必要なテーマでは、社内の非エンジニアが対応できず、発信が止まってしまうこともあります。
そのため、社内で運用を回すことを想定した場合は、ブロックエディタ対応やテンプレート機能が充実したテーマを選ぶのが望ましいです。特に定期更新が重要なオウンドメディアでは、操作性や更新コストを含めたテーマ選定が不可欠です。
デザイン性と更新性のどちらを重視するかは、自社の体制と目的に応じてバランスを取る必要があります。
外注 or 内製?構築方法の選び方
WordPressは無料で導入できるうえ、テンプレートやプラグインも充実しているため、一見すると内製でも対応できそうに見えます。しかし実際には、成果を上げるための構成設計やSEO対策、セキュリティなど専門的な領域も多く含まれます。
そのため「どこまでを内製し、どこからを外注にすべきか」を見極めることが非常に重要です。ここでは、よくある社内と外注の分担パターンをもとに、目的や体制に応じた最適な構築手法を解説します。
自社の強みを活かしつつ、足りない部分だけをプロに任せることで、コストを抑えながら成果につながる構築が可能になります。
社内でできる範囲と、外注すべき項目
WordPressの構築プロジェクトでは、業務の性質によって内製向きと外注向きに分かれる傾向があります。たとえば、記事の企画・執筆や画像選定などのコンテンツ制作は、社内の理解を反映しやすいため内製で進めやすい領域です。
一方、サイト全体の情報設計やデザイン制作、CMSの技術的な実装、SEOに配慮した構成設計といった専門知識が求められる部分は、外部のプロに委託することで高い品質と効率が確保できます。
成果を出すためには『全部内製』あるいは『丸投げ外注』ではなく、自社の強み・弱みを見極めたハイブリッド体制を構築するのが現実的かつ効果的です。
予算とスケジュールから見る選び方
構築方法を決めるうえでは、予算とスケジュールも重要な判断材料です。できるだけ早く公開したいなら、実績豊富な制作会社に外注することでスピーディな立ち上げが可能です。
一方、コストを抑えながら自社ノウハウも蓄積したい場合は、段階的に内製化を進めるスタイルが適しています。また、発注先を選ぶ際には、ただ安いだけでなく「納品後も相談できる体制があるか」「目的に沿った提案をしてくれるか」といった点も確認が必要です。
価格や納期だけにとらわれず、パートナーとして信頼できるかどうかを基準にすることで、長期的な運用の安心感にもつながります。
実際の構築・運用ステップとは?
オウンドメディアは、立ち上げた段階がゴールではありません。むしろ、公開後の運用こそが成果を左右します。
そのためには、構築初期の段取りを明確にし、運用段階で必要となるSEO設計やコンテンツ更新の体制を事前に整えておく必要があります。
ここからは、WordPressを用いたオウンドメディア構築の初期ステップと、公開後に求められる運用施策を、時系列に沿って整理します。
これにより、単発の制作ではなく、成果を生み出し続ける『メディア運営体制』のイメージが具体的になります。とくに社内での内製運用を想定する場合、初期設計の段階でこの流れを押さえておくことが不可欠です。
WordPress構築〜初期設定の流れ
WordPressでオウンドメディアを構築する際の基本ステップは、大きく分けて5段階あります。まずはドメインとサーバーの契約からスタートし、WordPress本体のインストール、テーマの導入、必要なプラグインの設定です。
さらに、セキュリティ対策や常時SSL化なども早い段階で対応しておく必要があります。初期設定の段階で土台をしっかり整えておくことで、公開後のトラブルや手戻りを防ぐことができます。
また、運用を見据えて、カテゴリ設計や投稿ルールの整備を行っておくと、社内での運用負荷を大きく軽減可能です。基盤構築はスピードよりも『正確さと安定性』が重視されるフェーズです。
コンテンツ制作とSEO設計の基本
オウンドメディアの成果は、どれだけ検索意図に合致したコンテンツを提供できるかが重要です。まずは想定読者の課題や疑問を洗い出し、それを解消する記事テーマを設計します。
そのうえで、タイトル・見出し・構成に一貫性を持たせることで、検索エンジンからの評価も高まりやすくなります。
また、SEO設計としては、内部リンクやカテゴリ設計、メタ情報の最適化なども欠かせません。記事同士を論理的に関連付けることで、サイト全体の評価が高まり、検索流入を底上げできます。
継続的に成果を出すためには、運用ルールを明文化し、チーム全体で再現可能な更新体制を整えることが重要です。
成果が出るまでの期間と運用スケジュールの考え方
オウンドメディアは短期間で即効性のある施策ではありません。とくにSEOを軸にした集客は、成果が出るまでに数ヶ月単位の運用が必要です。
とはいえ、明確なスケジュールや目安がないと「このまま続けて意味があるのか」と不安になる場面も出てきます。そのため、あらかじめフェーズごとの目的とKPIを設定し、段階的な成果を見据えておくことが重要です。
ここでは、導入初期〜1年目までのスケジュール感と、どの時期に何をすべきかの指針を解説します。焦らず中長期でメディアを育てる視点を持つことで、着実な成果へとつなげていくことが可能になります。
初期3ヶ月の目的とやるべきこと
オウンドメディアの立ち上げ初期となる3ヶ月間は、成果を焦るよりも『運用体制の構築』と『コンテンツの型づくり』に注力する期間です。
メンバーの役割分担や更新フロー、編集ルールなどを整備し、メディアを動かせる体制を社内に根づかせることが最優先となります。
あわせて、検索意図に沿った記事テンプレートやトンマナ(語り口)の標準化も行い、継続運用に必要な基盤を整えましょう。この時期にPVやCVといった数値ばかりを追うと、本来の設計精度や品質が疎かになりがちです。
まずは『運用の習慣化』と『改善サイクルを回す準備』を意識して進めることが大切です。
半年・1年スパンでの成果目安
SEO施策の成果が可視化されるのは、早くても3ヶ月以降、多くの場合は半年〜1年のスパンが必要です。とくにBtoB領域では、検討期間が長く、複数接点での情報収集が前提となるため、短期での成果を求めすぎると方向性を見失いやすくなります。
この時期には、検索順位の上昇や自然検索からの流入増、滞在時間や回遊率の向上などが段階的に現れてきます。また、CTA(資料DL・問い合わせ)などのCVポイントが整っていれば、コンバージョンにも変化が見られるようになります。
定期的なKPIチェックと改善を重ねながら、1年を通じて中長期の成長曲線を描く視点が求められます。
よくある失敗例と成功事例から学ぶポイント
オウンドメディアを立ち上げたものの「更新が止まってしまった」「思ったような成果が出ない」といった課題に直面する企業は少なくありません。一方で、継続的に成果を出し続けているメディアも存在します。その差は、立ち上げ後の運用体制やPDCAの仕組みにあります。
最後に、失敗しがちな原因とその回避策、そして成果を出している企業に共通する成功パターンを紹介します。
事前にこうした傾向を把握しておくことで、構築後の運用設計に役立てることができます。成功企業の考え方や工夫を取り入れることで、安定した発信体制を構築しやすくなります。
構築後に更新されなくなる原因
オウンドメディアが失敗する原因の多くは『運用設計の甘さ』に起因します。たとえば、コンテンツの更新を誰が担当するのか決まっていない、KPIが不明確で評価基準が曖昧、あるいは短期間でネタ切れになってしまうといったケースです。
また、記事の執筆や編集に想定以上の工数がかかり、通常業務と両立できなくなるという課題もよく見られます。こうした状態に陥ると、更新頻度が低下し、検索順位も下降。やがてメディアそのものの存在意義が問われることになります。
これらの課題を避けるためには、運用開始前に体制やルールを明確にし、無理のないペースで継続できる仕組みづくりが重要です。
成果を出している企業の共通点
継続的に成果を出している企業には、いくつかの共通点があります。まず、目的に応じたKPIが明確に設定されており、それに基づいたコンテンツ企画が行われています。
コンテンツ制作も属人化せず、仕組みとして運用されている点が特徴です。また、書いて終わりではなく、アクセスデータや検索順位を定期的に分析し、改善サイクルをまわす習慣が根づいています。
更新ペースや内容に応じて体制を柔軟に見直し、常に現場と目的がズレないような運用設計が行われています。このように、成功するメディアは『仕組みで継続』できる状態をつくっていることが、安定した成果につながっているのです。
まとめ|WordPressで始める戦略的オウンドメディア
WordPressは、自由度や拡張性、SEOとの相性といった点でオウンドメディア構築に非常に適したCMSです。しかし、ただ導入すれば成果が出るわけではなく『目的設計』『KPIの設定』『運用体制の構築』がそろってはじめて、継続的な効果が得られます。
本記事で紹介した設計手順やテーマ選びの視点、失敗を防ぐ仕組みづくりを参考に、自社に最適な媒体設計を進めてみてください。戦略的に設計されたメディアは、確実に中長期で成果をもたらしてくれます。
本記事があなたのお役に立てることを願っております。