【比較・事例付き】noteで始めるオウンドメディア|他CMSとの違いと活用ポイントを解説

企業が情報発信を強化するなか、手軽に始められて継続しやすいプラットフォームとして『note』が注目を集めています。特に広報や採用の目的でオウンドメディアを立ち上げたい企業にとって、noteは低コストかつ運用負担が少ない点で魅力的な選択肢です。
本記事では、noteの特徴や他CMSとの違いに加え、採用・広報分野での活用事例や成果を詳しく紹介します。さらに、導入から運用定着までの具体的なステップも解説。
「自社にnoteが合っているか知りたい」「他社はどう活用しているのか気になる」といった疑問に応える内容で、自社導入の判断材料として活用いただけます。
- noteと他CMS(WordPress等)との違いがわかる
- 採用・広報で成果を出している企業事例がわかる
- 社内メンバーを巻き込むための工夫がわかる
- note運用を成功させる5ステップがわかる

株式会社X-knockは、渋谷にオフィスを構えるWebマーケティングにおけるドクターです。
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大学卒業後、Webマーケティング会社を設立。金融メディアを運営。その後、SNSマーケティングの会社に参画し、Web・オウンドメディアの立ち上げ、クリエイティブディレクターとして企画戦略、撮影編集の統括。SNSマーケティング会社の取締役を経て、2021年に株式会社X-knockの代表として総合Webマーケティング会社を起業。数多くのクライアントのマーケティング支援を行う。
なぜ今、noteでのオウンドメディア運用が注目されるのか
noteは、情報発信に課題を抱える中小企業やスタートアップにおいて急速に導入が進んでいます。その背景にあるのは、専門知識がなくても始められる手軽さと、初期費用を抑えられる導入コストの低さです。
さらに、SNSとの連携に優れており、記事が拡散されやすい仕組みも支持されている要因のひとつです。特に広報や採用の現場では、担当者自身が書き手となりやすく、社内の巻き込みもしやすい環境を整えられる点で評価されています。
自社運用の第一歩として、現実的かつ実行可能なCMSとして注目が集まっています。
noteと他CMSの違いを比較【WordPress、自社ブログとの違い】
noteは『誰でも書けるSNS寄りCMS』として、非エンジニアでも扱いやすい設計が特長です。対して、WordPressなどは自由度が高い一方、専門的な知識やスキルが求められます。
ここでは、自社に合った運用方法を見極めるために、以下の4つの観点から違いを比較します。
1. 初期費用と運用コストの違い
noteは無料プランがあり、月額費用も低く抑えられているため、導入にかかるコストがほとんど発生しません。必要な準備はアカウント開設と初期設定のみで、即日で運用を始めることも可能です。
一方、WordPressはサーバー契約、ドメイン取得、テーマ購入、SSL設定など、初期構築に数万円以上かかることが一般的です。
スタートアップや中小企業にとっては、この初期コストの差が大きな判断材料になります。少ない予算でスピーディにスタートしたい場合は、noteの導入が現実的です。
2. 運用体制とスキルの必要度
noteの強みは、HTMLやCMSの知識が不要で『誰でも書ける』設計にあります。担当者自身が執筆から公開まで一貫して対応できるため、社内に専門スキルがなくても継続運用が可能です。
対してWordPressでは、カスタマイズやプラグイン管理、トラブル対応に一定のスキルが必要です。技術的な知見が求められる場面も多く、外部パートナーの協力が前提になることもあります。
社内で完結できるかどうか、あるいは制作リソースを外部に依存できるかを踏まえ、最適なCMSを選定することが重要です。
3. SEOへの対応力の違い
SEOの柔軟性を求める場合、WordPressに軍配が上がります。構造化データの追加やタイトルタグの最適化、URLのカスタム設計など、細かい調整が可能だからです。
一方、noteは一部のSEO設定に制約がありますが、基本的な検索対策(タイトル構成、タグ、目次設定など)は十分に備わっています。Googleにもインデックスされやすく、継続更新によりSEO効果を見込めます。
本格的に検索流入を重視するのか、まずは社内発信の仕組みを整えるのか。自社の目的に応じて、どちらを優先すべきかを明確にして選びましょう。
4. デザインとブランディングの自由度
WordPressはテンプレートの選択肢が豊富で、企業の世界観に合わせた独自デザインが可能です。ブランドの細部まで表現したい場合に適しています。
一方、noteはレイアウトの自由度に制限がありますが、シンプルなデザインゆえに読みやすく、コンテンツそのものの魅力を引き出す設計になっています。
また、発信内容のトーンや画像の選び方次第で、note上でも十分にブランディングは可能です。外見のカスタマイズ性よりも運用効率や発信の継続性を重視する場合、noteの方が適しています。
成功事例に学ぶ!note活用のリアル【採用・広報編】
noteを活用し、採用や広報ブランディングで成果を上げている企業が増えています。ここでは、実際の活用事例を通して、具体的な効果と工夫を紹介します。
1. 株式会社ベーシック:noteで社名認知度向上と内定承諾率9割超を実現

株式会社ベーシックでは、採用ブランディングの強化を目的にnoteを導入。社員インタビューや社内文化を伝えるコンテンツを継続的に発信することで、企業理解を深めた応募者が増加しました。
note経由の応募者は、企業の想いや働く環境に共感したうえで面接に臨む傾向が強く、結果として内定承諾率は9割を超える実績を達成。社名認知だけでなく、応募から採用決定までの精度向上にもnoteが貢献した成功事例です。
2. 株式会社くふうAIスタジオ:noteとWantedly連携で採用エントリー数1.5倍に

株式会社くふうAIスタジオでは、社員の想いや日常を伝える記事をnoteで発信。記事末にWantedlyのURLを設置し、読み手が自然な流れで採用情報にアクセスできる構成を取りました。
この工夫により、エントリー数が週次で1.5倍に増加。カルチャーや職場環境に共感した応募が集まり、入社後の定着率やマッチング精度にも好影響を与えました。
noteと採用媒体を連動させた導線設計が、成果につながった好例です。
3. キリンビール株式会社:「#社会人1年目の私へ」投稿コンテストで3000件以上の応募を獲得

キリンビール株式会社は、noteを活用してユーザー参加型キャンペーン『#社会人1年目の私へ』を実施しました。この取り組みでは、企業発信に留まらず、ユーザーの実体験を軸にした投稿コンテストを展開。
開始1週間で600件、最終的に3,000件超の投稿が集まりました。プロジェクト全体を通じて、ブランドへの共感と認知度の向上を同時に実現。
企業と生活者がつながる場として、noteの可能性を広げた代表的な事例となっています。
noteを活用したコンテンツ設計と社内巻き込みの工夫
noteを効果的に運用するためには、社内の誰もが書ける環境を整えることが欠かせません。属人化を防ぎながら、自然にコンテンツが生まれる仕組みをつくることで、継続的な発信が可能になります。
ここでは、次の3つの工夫を紹介します。
1. コンテンツテーマは『社内の日常』から掘り起こす
noteは『人のストーリー』に共感が集まりやすいメディアです。企業が持つ魅力を伝えるには、日々の業務内容よりも、そこに関わる人の想いや選択に焦点を当てたテーマ設計が効果的です。
たとえば「なぜこの仕事を選んだのか」「どんな想いで取り組んでいるのか」といった背景を掘り下げることで、読者との感情的なつながりが生まれます。社内の些細な出来事や日常の会話も、視点を変えれば立派なコンテンツ素材になります。
「すでにある日常をどう切り取るか」この意識が、無理なく続けられる発信の第一歩となるのです。
2. 社内発信者を巻き込む仕組み作り
noteを継続的に運用するには、属人化を避けて『発信を仕組み化』することが重要です。発信者が1人に偏ると、更新停止のリスクが高まります。おすすめの方法は次のとおりです。
- 担当部署ごとに『持ち回り投稿制度』を設ける
- テンプレート質問を活用した簡易インタビューで執筆ハードルを下げる
- 広報担当者が原稿の編集や校正をサポートする
特に発信未経験の社員にとっては「自分の言葉で書いてもいい」という安心感が参加意欲を高める要因になります。発信を特別な仕事にしない仕組みが、社内の協力体制を築くカギです。
3. noteプロフィールやCTAにも“設計意図”を持たせる
プロフィールやCTA(Call to Action)は、読者との接点を深めるうえで重要なパーツです。まず、プロフィール文では「なぜこの情報を発信しているのか」「どんな企業なのか」が明確に伝わるようにしましょう。
具体的には、企業のミッションや価値観、代表的な活動内容などを簡潔にまとめることが推奨されます。また、記事末のCTAも読者の関心や行動に合わせて最適化が必要です。
たとえば、採用強化が目的なら採用情報ページへのリンク、広報目的なら企業の公式サイトや他記事への導線などです。目的ごとに使い分けることで、読者の行動喚起を確実に促せます。
発信内容と導線の整合性が取れていることで、noteは単なる情報発信を超えて成果を生むメディアへと進化します。
noteで成果を出すための導入・運用ステップ【テンプレ付き】
noteを導入したあとに成果を出すためには、思いつきで書き始めるのではなく、設計と準備が欠かせません。特に広報・採用を担う実務担当者にとっては、すぐに動ける明確なステップが必要です。
ここでは、noteの導入から運用定着までを5ステップで整理します。
- ステップ1:発信目的とKPIを明確にする
- ステップ2:初期設定とプロフィール設計を行う
- ステップ3:初期コンテンツの方向性を決める
- ステップ4:投稿頻度・役割分担の運用ルールを決める
- ステップ5:効果測定と改善フローを作る
ステップ1:発信目的とKPIを明確にする
まずは「誰に向けて、何を伝え、どう行動してもらうか」を定義しましょう。目的が明確でないまま始めると、記事内容がぶれやすく、社内の協力も得にくくなります。
たとえば、広報目的であれば『社名認知度の向上』『共感の獲得』。採用目的であれば『応募数』『内定承諾率』などがKPIとなります。
マーケティングであれば『ブランド想起』『資料ダウンロード数』などが基準です。数字で成果を評価できる状態にしておくことで、振り返りや改善もしやすくなります。
ステップ2:初期設定とプロフィール設計を行う
noteでは、プロフィール欄が『企業の顔』となります。初めての読者が見るページであるため、信頼感と世界観を伝える工夫が必要です。
ロゴやカバー画像はブランドイメージに沿って設計し、発信目的や事業内容を簡潔に明示しましょう。また、公式サイトや採用情報へのリンクを設け、興味を持った読者の行動を促します。
加えて、記事カテゴリの設計やタグ活用も運用効率を高めます。第一印象の質を高めることで、読者の離脱を防ぎ、継続的な関心につなげることが可能です。
ステップ3:初期コンテンツの方向性を決める
運用初期は『等身大の会社像』が伝わるテーマが効果的です。社員インタビューや創業ストーリー、仕事風景など、企業の日常を切り取る内容が共感を得やすくなります。
noteでは、専門的な話題よりも、人柄や価値観が伝わる記事が好まれる傾向があります。複雑な構成よりも、わかりやすく親しみのある文章で『企業らしさ』を表現しましょう。
また、採用向けにはQ&A形式の記事も有効です。社内の温度感が伝わる内容が、読者の信頼を育みます。
ステップ4:投稿頻度・役割分担の運用ルールを決める
noteの更新が途絶える理由の多くは『属人化』と『ルール不在』です。継続的に発信するには、あらかじめ運用ルールを決めておくことが欠かせません。
投稿頻度は月2〜4本を目安に設定し、執筆・編集・公開の役割分担も明確にしましょう。たとえば、編集チェック用のシートを共有するだけでも、確認の抜け漏れを防げます。
初期段階から小さくても運用フローを定めておくことで、担当者の入れ替えや繁忙期でも、継続性を保てる体制が築けます。
ステップ5:効果測定と改善フローを作る
noteでは、閲覧数やスキ数、フォロワー数などの基本指標に加え、Googleアナリティクスとの連携も可能です。KPIと照らし合わせながら、定期的に効果を測定し、改善につなげるPDCAを回しましょう。
たとえば、月ごとの簡易レポートを作成し、閲覧の多かった記事の傾向を分析することで、次のテーマ選定にも活かせます。また、CTAのクリック数や離脱率も確認できれば、導線の見直しにも役立ちます。
数字に基づく振り返りが運用の質を高めることにつながるのです。
まとめ|noteは“始めやすさ”だけじゃない、成果が出せる設計を
noteは、誰でもすぐに始められる手軽さが注目されがちですが、本質的な価値はその先にあります。運用の目的や体制をしっかり設計することで、採用ブランディングや広報活動、SEOによる中長期的な集客にも貢献できるメディアへと育てることが可能です。
自社のカルチャーやストーリーを可視化し、共感を軸に発信を積み重ねていくことで、ただの更新作業ではなく『資産となる情報発信』が実現します。本記事で紹介したCMS比較や活用事例、運用ステップをもとに、まずは小さく始め、社内に合った形で定着させていくことが成功への近道です。
noteは、発信者が限られた企業こそ取り入れやすく、継続しやすい仕組みを備えたプラットフォームです。目的に沿った設計で、成果に結びつく運用を目指しましょう。