アパレル業界のオウンドメディア事例10選と立ち上げ・運用ステップまで

「SNSだけでは伝わらないブランドの想いを、どう届ければいいのか?」

アパレル業界のWeb・広報担当者の多くが、今この壁に直面しています。広告やSNSでの訴求力は依然高いものの、価格やキャンペーンだけでは顧客の心に長く残るブランド体験をつくるのは難しくなってきています。

そんな中注目されているのが、オウンドメディアです。中長期的にファンとの関係性を育み、ブランドの世界観や哲学を「自分たちの言葉で」発信できるこの手法は、すでに多くのアパレルブランドで成果を上げ始めています。

本記事では、成功しているアパレルブランドのオウンドメディア事例10選とともに、立ち上げ時に押さえておくべき企画・設計・運用のステップ、業界特有の注意点までを丁寧に解説します。

「ブランドの価値を、コンテンツで育てたい」そう感じている方へ、最初の一歩を支える実践的な内容となっています。

この記事でわかること
  • SNSでは伝えきれないブランドの想いを届ける手段としてのオウンドメディアの価値がわかる
  • アパレル業界で成果を出しているオウンドメディアの具体事例と特徴がつかめる
  • 自社でメディアを立ち上げる際の企画・設計・運用の基本ステップが理解できる
  • アパレルならではの運用課題や注意点を事前に把握することができる
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この記事の監修者
X-knock代表取締役 遠藤惇
株式会社X-knock代表 遠藤 惇

大学卒業後、Webマーケティング会社を設立。金融メディアを運営。その後、SNSマーケティングの会社に参画し、Web・オウンドメディアの立ち上げ、クリエイティブディレクターとして企画戦略、撮影編集の統括。SNSマーケティング会社の取締役を経て、2021年に株式会社X-knockの代表として総合Webマーケティング会社を起業。数多くのクライアントのマーケティング支援を行う。

目次

なぜ今アパレル業界でオウンドメディアが注目されているのか?

SNSや広告だけでは、ブランドの背景にある想いや価値観を深く届けるのは難しくなっています。トレンドの速さに飲み込まれず、ユーザーとの中長期的な関係性を築くチャネルとして、オウンドメディアの役割が再評価され始めています。

特にアパレル業界では、商品の魅力だけでなく『世界観』や『ブランドストーリー』をいかに伝えるかが選ばれる理由になります。オウンドメディアは、一方通行ではない継続的な“語りかけ”を通じて、ブランド体験の深度を高められる手段です。

SNSとの連携で拡散力を持たせながら、自社の視点で語れる“育てるメディア”として、今その価値が見直されています。

成功ブランドに学ぶ!アパレルオウンドメディア事例10選

「うちのブランドでも本当に活用できるのか?」

そう迷う方にとって、業界の先行事例は最も信頼できる判断材料です。ここでは、オウンドメディアを活用して成果を出している下記アパレルブランド10社を、目的や戦略タイプ別にご紹介します。

『世界観の発信』『スタッフ主体の販促』『EC・実店舗への誘導』『専門性の確立』『顧客育成』など、ブランドの方針や規模に応じて多様なアプローチが存在しています。以下の事例を参考に、自社のブランドに近いスタイルや目的を見つけながら、どのようなコンテンツ戦略が可能かを具体的にイメージしてみてください。

01:Onitsuka Tiger MAGAZINE|世界観重視型

出典元:Onitsuka Tiger MAGAZINE

ファッションとカルチャーを融合させた読み応えのある記事構成で、ブランドの歴史や背景にある哲学を丁寧に発信しています。製品紹介に留まらず、アート・音楽・スポーツなどを切り口にした特集により、ブランドの思想とライフスタイルの親和性を訴求。

“商品を買う”前に“ブランドに共感する”仕掛けをつくる、ストーリーテリングの好事例です。

02:SHIPS MAG|スタッフ主体のコーディネート提案

出典元:SHIPS MAG

雑誌のような構成で、実際に店舗スタッフが着こなしを紹介。リアルで親しみやすいスタイルが読者との距離を縮めています。各スタッフのコメントや提案意図が添えられており、ファッション提案を通じた購入導線が自然に設計されています。

ECと連携した「人を通じた購買体験」が特徴的な、販促とブランディングを両立した構成です。

03:FASHION HEADLINE|業界内での専門性訴求

出典元:FASHION HEADLINE

ファッション業界の最新ニュースを網羅した情報ポータル型のオウンドメディア。各ブランドのリリースやトレンド分析を専門的に扱っています。自社の広報活動を兼ねつつ、業界関係者への認知・信頼構築を実現。

一般向けではなくBtoB寄りの訴求軸が明確なモデルです。

04:土屋鞄製造所 ジャーナル|職人技と世界観の可視化

出典元:土屋鞄製造所 ジャーナル

素材や製造工程へのこだわりを、職人インタビューや制作風景を通じて紹介。製品の品質だけでなく、背景にある『価値観』を丁寧に伝えています。

読者に“共感”と“信頼”を抱かせることで、単価の高い商品でも購入に至る心理的ハードルを下げています。ブランド育成型メディアの好例です。

05:DOOR by ABC-MART|ハウツー記事×商品導線

出典元:DOOR by ABC-MART

スニーカー選びやコーディネートのコツなど、実用的なHOWTO記事を中心に構成。検索流入を意識した設計で、記事から商品ページへの導線がスムーズです。

特集やレビュー形式の記事により、ユーザーの購買検討フェーズに応じた情報提供を実現。SEOとEC誘導を両立するモデルとして参考になります。

06:B CULTURES by BEAMS|カルチャー主導型ブランディング

出典元:B CULTURES by BEAMS

BEAMSが展開するB CULTURESは、ファッションとカルチャーを結びつけた発信が特徴です。洋服単体ではなく、映画・音楽・ライフスタイルなどを交えた多面的なコンテンツで、“BEAMSのある生活”を想起させる設計。

SNSとの連携も強く、シェアされやすい話題性と共感性のある企画が多く、自社ブランドの“思想”をユーザーと共有するメディアとして機能しています。

07:UNIQLO TODAY’S PICK UP|機能訴求と社会性の両立

出典元:UNIQLO TODAY’S PICK UP

ユニクロの商品紹介記事は、単なるアイテム解説にとどまらず、SDGsや社会的な話題と絡めた切り口で構成されています。着こなし例や開発背景を紹介しながら、ブランドが大切にしている価値観や取り組み姿勢をコンテンツ化。

『選ばれる理由』を機能だけでなく“姿勢”で伝える、ユニクロらしい誠実なブランド構築の手法です。

08:STYLE HAUS(BUYMA)|トレンド×購買導線の強化

出典元:STYLE HAUS(BUYMA)

STYLE HAUSは、BUYMAが運営するトレンド特化型メディア。海外ブランドや話題アイテムを軸に、検索流入とSNS拡散の双方を意識した構成になっています。

各記事からBUYMAの商品ページへのリンクがスムーズに設計されており、購買直結型メディアとして非常に高い完成度を誇ります。「読み物」と「ショッピング体験」が融合した、EC主導型ブランドにとって参考になる構成です。

09:LUMINE MAGAZINE|ライフスタイル全体を包み込む構成

出典元:LUMINE MAGAZINE

ルミネのオウンドメディアは、単なるファッション情報ではなく、季節の過ごし方・インタビュー・イベント情報など、生活提案型の読み物として設計されています。店舗への来店動機を増やすと同時に、“このブランドが好き”という感覚を醸成。

多様な読み物を通じて“読まれること自体に価値がある”状態をつくる、来店促進とブランディングを両立したメディアです。

10:WACOAL BODY BOOK|ウェルネス視点での世界観構築

出典元:WACOAL BODY BOOK

WACOALが展開するBODY BOOKは、下着だけでなく食・運動・睡眠など、ボディケア全般をテーマにしたヘルスケア系のメディアです。“下着を売る”のではなく、“女性の健康を支える”という企業視点で構成されており、長期的な信頼とロイヤルティの形成に寄与しています。

商品を超えた関係性を築く、ウェルネスブランドの在り方を体現したモデルです。

自社に取り入れるには?オウンドメディア導入の3ステップ

成功事例を見て「やってみたい」と思っても、いざ自社で始めるとなると「何から手をつけるべきか分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか。ここでは、アパレルブランドがオウンドメディアを立ち上げる際に踏むべき基本ステップを3段階に分けて紹介します。

SNSや広告とは異なり、オウンドメディアは“育てていくチャネル”です。だからこそ、最初の設計段階が今後の運用成果を左右します。

ステップ①:企画・目的整理

最初に必ず行うべきは『なぜやるのか』『誰に何を伝えたいのか』を明確にすることです。

これは単なる形式的な項目ではなく、自社ブランドの理念や顧客との向き合い方を軸に設計するための“根幹”となります。

たとえば「ファンとの関係性を深めたい」「ECでの購買導線を補強したい」など、目的が異なれば発信すべき内容も変わります。

リソース面やブランドトーンと整合性のある方針を言語化することが、社内の合意形成にもつながります。

ステップ②:コンテンツ設計・導線計画

次に「どんな記事を・誰が・どの順で読むか」を想定しながら、コンテンツ構成と導線設計を行います。ここで重要なのは、『カスタマージャーニーに寄り添った設計』です。ブランドを知ったばかりの人に向けたコンテンツ、興味を深める記事、購入を後押しする情報などを、段階的に配置することが必要です。

また、ECサイトやSNSと自然につながるよう、記事中や末尾にCTA(資料DL・商品ページ・相談フォームなど)を設定し、行動導線を明確にしておきましょう。

ステップ③:制作・公開・改善

設計ができたら、いよいよ運用フェーズです。まずは少数精鋭でテーマと更新頻度を決め、記事制作をスタートしましょう。この段階で重要なのは、初期の数ヶ月で“振り返りの型”をつくっておくことです。

記事ごとのPVやCV、SNSでの反応などをチェックし、月ごとに改善ポイントをまとめることでPDCAを確立できます。編集・撮影・分析といった役割を分担し、無理なく続けられる体制づくりを意識しましょう。

導入前に知っておくべきポイント|アパレルならではの注意点

オウンドメディアの運用は、業界ごとに押さえておくべき設計ポイントが異なります。特にアパレル業界では、商品サイクルの早さやスタッフの感性が重視される文化、在庫・販促との連携など、特有の課題や運用上の工夫が必要です。

以下は、立ち上げ前に必ず確認しておきたいアパレルならではの注意点です。

  • スタッフ発信を軸にする場合、トーンや更新頻度のガイドラインを整備すること
  • 世界観を壊さないビジュアル設計とUXの整合性
  • ECや在庫との連携シナリオの事前構築
  • シーズナリティと継続発信のバランス

これらを理解しないまま見よう見まねで立ち上げてしまうと、「読まれない」「続かない」「成果につながらない」状態に陥る可能性があります。

だからこそ、導入前に“アパレルらしい落とし穴”を知っておくことが、成功の前提条件になります。

まとめ:アパレルこそ“育てられる”メディア戦略を

オウンドメディアは、一時的なキャンペーンや拡散に頼る施策とは異なり、時間をかけてブランドと顧客との関係性を深めていく“育成型チャネル”です。特にアパレル業界においては、単に商品を売るのではなく、『ブランドの思想』や『世界観』を伝えることが、長期的なファンづくりやロイヤルティ形成につながります。

本記事で紹介したように、目的や戦略に応じた事例の分析、自社に適した導入ステップ、アパレル特有の注意点などを踏まえることで、SNSや広告とは違う“第三の柱”としてメディアを機能させることが可能になります。

すぐに結果が出る施策ではありませんが、積み上げていくことで確実に“資産”となり、ブランドの土台を支える存在になるのがオウンドメディアの強みです。今こそ、アパレル業界にこそふさわしい『育てる戦略』としてのメディア活用を検討してみてはいかがでしょうか。

X-knockメディア編集部
株式会社X-knockはWeb制作・SEO対策・広告運用を中心としたWebマーケティング会社になります。「成長のキッカケを創る」をミッションとして、事業の成長・個人の成長をマーケティングの力で支援する企業です。
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